Notionシステム研究所 > Notion顧客管理の作り方|商談・対応履歴・タスクをDBでつなぐ
2026年6月6日
•約13分で読めます
Notionで顧客管理を作る方法を、会社DB、担当者DB、商談DB、対応履歴、営業タスク、権限、CRMへ移す判断まで実務目線で整理します。
Notionで顧客管理を作りたいです。顧客名、担当者、メモ、ステータスを1つの表に入れれば始められますか。
始めるだけならできる。ただし顧客、担当者、商談、対応履歴、タスクを1つのDBに混ぜると、営業の流れを追えなくなる。Notionで顧客管理をするなら、まず何を別DBにするかを決めるべきじゃ。
Notionで顧客管理を作ることはできます。
会社名を並べる。
担当者名を入れる。
商談ステータスをボードで見る。
メールや面談メモをページ内に残す。
タスクDBとつないで、次回連絡日を管理する。
こうした使い方なら、Notionは小さなCRMとして使えます。
実際、Notion公式の営業テンプレートカテゴリでも、リードや顧客関係を管理し、営業プロセスを強化する用途が紹介されています。
ただし、Notion顧客管理で失敗するパターンも多いです。
Notion顧客管理は、顧客名を並べる表ではなく、会社DB、担当者DB、商談DB、対応履歴DB、タスクDBを分けてつなぐ小さな営業システム として作る方が安定します。
この記事では、Notionで顧客管理を作る方法を、会社DB、担当者DB、商談DB、対応履歴、営業タスク、権限、CRMへ移す判断まで実務目線で整理します。
Notionで顧客管理を作るときは、最初にDBを分けます。
最低限、次の5つを分けて考えます。
| DB | 1行の意味 | 役割 |
|---|---|---|
| 会社DB | 1社 | 会社情報、業種、契約状況、担当営業を管理する |
| 担当者DB | 1人 | 顧客側の担当者、役職、連絡先、所属会社を管理する |
| 商談DB | 1商談 | 提案、見積、契約前後の進捗を管理する |
| 対応履歴DB | 1回の接点 | メール、電話、面談、問い合わせ、フォローを残す |
| タスクDB | 1作業 | 次回連絡、資料作成、見積送付、社内確認を追う |
1つの表で始めると、最初は楽です。
しかし、顧客管理では同じ会社に複数の担当者がいます。
同じ会社で、複数の商談が並行することもあります。
1回の商談に、何度もメール、面談、資料送付、社内確認が発生します。
これらを1行に詰め込むと、必ず崩れます。
| 混ぜているもの | 起きる問題 |
|---|---|
| 会社と担当者 | 退職、異動、複数窓口に対応できない |
| 会社と商談 | 過去商談と現在商談が上書きされる |
| 商談と対応履歴 | どの接点で何が決まったか追えない |
| 対応履歴とタスク | 実施済みの記録と未来の作業が混ざる |
| 顧客管理と請求管理 | 権限、履歴、正式台帳の責任が曖昧になる |
Notion公式ヘルプでは、データベースはページの集まりであり、プロパティやビューを使って整理できると説明されています。
顧客管理でも、この特徴を活かします。
1行を何にするかを決め、DB同士をリレーションでつなぐ。
それが、NotionをCRMとして使う時の基本です。
Notionで顧客管理を作るなら、最初から大きく作りすぎる必要はありません。
ただし、DBの分け方だけは早めに決めた方がよいです。
会社DBは、顧客の母体です。
1行は1社です。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 会社名 | タイトル | 顧客企業を識別する |
| 種別 | セレクト | リード、既存顧客、休眠、パートナーなど |
| 業種 | セレクト | 提案内容や事例分類に使う |
| 担当営業 | ユーザー | 社内の責任者を決める |
| 契約状況 | ステータス | 未契約、商談中、契約中、解約、休眠 |
| 関連担当者 | リレーション | 担当者DBとつなぐ |
| 関連商談 | リレーション | 商談DBとつなぐ |
| 最終接点日 | ロールアップ、日付 | 対応履歴から直近接点を見る |
| 次回連絡日 | ロールアップ、日付 | タスクや商談から次の動きを見る |
| メモ | テキスト | 固定情報だけを書く |
会社DBには、変わりにくい情報を置きます。
会社概要、業種、担当営業、契約状況などです。
日々変わる商談進捗や対応メモは、会社DBへ直接書きすぎない方がよいです。
担当者DBは、顧客側の人を管理するDBです。
1行は1人です。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 氏名 | タイトル | 顧客側担当者を識別する |
| 所属会社 | リレーション | 会社DBとつなぐ |
| 役職 | テキスト | 意思決定者、実務担当者などの判断に使う |
| メール | メール | 連絡先 |
| 電話 | 電話番号 | 必要な場合のみ |
| 役割 | セレクト | 決裁者、窓口、利用者、紹介者など |
| 関連商談 | リレーション | どの商談に関わるかを見る |
| 最終接点日 | ロールアップ | 対応履歴から確認する |
担当者DBを分ける理由は、会社と人のライフサイクルが違うからです。
会社は同じでも、担当者は異動します。
担当者が複数いることもあります。
1社1担当者の前提で作ると、営業の現実に合わなくなります。
会社DBと担当者DBは、リレーションでつなぎます。
| 関係 | 設計 |
|---|---|
| 1社に複数担当者 | 会社DBと担当者DBをリレーションする |
| 1担当者が複数商談に関わる | 担当者DBと商談DBをリレーションする |
| 退職、異動 | 担当者ステータスで管理し、過去履歴は消さない |
| 窓口と決裁者 | 担当者DBの役割で分ける |
会社DBに担当者名をテキストで書くだけでも、最初は使えます。
しかし、担当者が2人以上になるとすぐに困ります。
窓口、決裁者、利用部門、紹介者が分かれるからです。
顧客管理を営業で使うなら、会社DBと担当者DBは分けます。
ただし、個人事業主や小規模な問い合わせ管理だけなら、最初は会社DBと担当者DBを1つにしても構いません。
その場合でも、あとで分けられるように、次の項目は混ぜすぎない方がよいです。
| 項目 | 置き場所 |
|---|---|
| 会社名 | 会社情報 |
| 担当者名 | 担当者情報 |
| メール | 担当者情報 |
| 商談金額 | 商談情報 |
| 次回連絡 | タスク情報 |
| 面談メモ | 対応履歴 |
商談DBは、営業プロセスを見るためのDBです。
1行は1商談です。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 商談名 | タイトル | 提案や案件を識別する |
| 会社 | リレーション | 会社DBとつなぐ |
| 担当者 | リレーション | 顧客側担当者を紐づける |
| 社内担当 | ユーザー | 営業責任者 |
| フェーズ | ステータス | リード、初回接点、提案中、見積中、契約待ち、失注、受注 |
| 見込み金額 | 数値 | 営業管理に使う |
| 確度 | セレクト、数値 | A、B、Cや%で管理する |
| 受注予定日 | 日付 | 見込み時期を見る |
| 次回アクション | リレーション | タスクDBとつなぐ |
| 関連履歴 | リレーション | 対応履歴DBとつなぐ |
| 失注理由 | セレクト、テキスト | 振り返りに使う |
商談DBで重要なのは、フェーズを作りすぎないことです。
最初は次の程度で十分です。
| フェーズ | 意味 |
|---|---|
| リード | まだ具体的な提案前 |
| 初回接点 | ヒアリングや紹介直後 |
| 提案中 | 提案内容を整理している |
| 見積中 | 金額、条件、範囲を詰めている |
| 契約待ち | 契約、発注、稟議の待ち |
| 受注 | 契約または発注済み |
| 失注 | 見送り、競合負け、時期不一致 |
フェーズ名は営業チームで揃えます。
人によって「提案中」と「見積中」の意味が違うと、パイプラインは信用できません。
商談DBには、最新状態を置きます。
商談の経緯や会話の詳細は、対応履歴DBへ分けます。
対応履歴DBは、顧客との接点を残すDBです。
1行は1回の接点です。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 件名 | タイトル | 何の接点か分かるようにする |
| 日時 | 日付 | いつ対応したか |
| 種別 | セレクト | メール、電話、面談、紹介、問い合わせ、フォロー |
| 会社 | リレーション | 会社DBとつなぐ |
| 担当者 | リレーション | 顧客側担当者とつなぐ |
| 関連商談 | リレーション | 商談DBとつなぐ |
| 社内対応者 | ユーザー | 誰が対応したか |
| 要約 | テキスト | 会話の要点 |
| 決定事項 | テキスト | 決まったこと |
| 次アクション | リレーション | タスクDBとつなぐ |
| 原本URL | URL | メール、議事録、録画、Slackなどへ戻る |
対応履歴を会社DBのページ本文に書くだけだと、あとで拾えません。
「今月連絡していない顧客」
「提案後にフォローがない商談」
「担当者別の対応件数」
「次アクションがない面談」
こうした確認ができなくなります。
履歴はDBにします。
ただし、全文をNotionへ転記しすぎる必要はありません。
メール本文、契約条件、個人情報、添付ファイルなどは、原本側に残し、Notionには要約とリンクだけを置く方が安全です。
AIで面談メモやメール要約を作る場合も、正式な顧客履歴にする前に人が確認します。
AI要約は下書き、顧客履歴は確認済み情報 と分けると、誤読や個人情報の扱いを抑えられます。
顧客管理は、履歴を残すだけでは足りません。
次に何をするかを追う必要があります。
営業タスクは、タスクDBで管理します。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| タスク名 | タイトル | 作業内容 |
| 担当者 | ユーザー | 社内の実行者 |
| 期限 | 日付 | 次回連絡、資料作成、見積送付の期限 |
| ステータス | ステータス | 未着手、進行中、確認待ち、完了、保留 |
| 会社 | リレーション | 会社DBとつなぐ |
| 商談 | リレーション | 商談DBとつなぐ |
| 対応履歴 | リレーション | どの接点から発生したか |
| 完了条件 | テキスト | 何をもって終わりか |
| 次回確認日 | 日付 | 保留時の確認日 |
営業タスクで特に重要なのは、次回連絡日です。
顧客管理が崩れる理由の多くは、情報がないことではありません。
次に誰が何をするかが決まっていないことです。
Notionには、次のビューを作ります。
| ビュー | 条件 |
|---|---|
| 今日の営業タスク | 期限 が今日以前、ステータス が未完了 |
| 自分の未完了 | 担当者 が自分、ステータス が未完了 |
| 商談別タスク | 商談 でグループ化 |
| フォロー漏れ | 次回確認日 が過去、ステータス が未完了 |
| 確認待ち | ステータス = 確認待ち |
タスクDBを分けると、営業会議で確認しやすくなります。
商談DBだけを見ていると、「提案中」と表示されていても、実際に次の作業があるか分かりません。
タスクDBまで見ると、見積作成、社内確認、顧客返信、次回面談設定が追えます。
顧客管理では、権限設計を軽く見ない方がよいです。
Notion公式の共有と権限ガイドでは、共有メニューで誰がコンテンツにアクセスできるか、どの権限レベルかを管理できると説明されています。
Notion公式ガイド:Sharing & permissions
顧客管理では、次のように分けます。
| 情報 | 権限の考え方 |
|---|---|
| 会社名、公開情報 | 営業チーム内で共有しやすい |
| 担当者名、メール、電話 | 必要なメンバーに限定する |
| 商談金額、確度 | 営業、経営、関係者に限定する |
| 契約条件、請求情報 | Notionではなく契約、会計、CRM側に置く |
| 個人的なメモ | 顧客DBに残すべきか慎重に判断する |
| 外部共有ページ | 顧客情報を含むDBビューを置かない |
Notionの外部共有は便利です。
しかし、顧客管理DBをそのまま外部共有するのは危険です。
共有するなら、顧客向けの専用ページを作り、必要な情報だけを置きます。
社内用の会社DB、商談DB、対応履歴DBをそのまま見せない方がよいです。
また、ページ本文に個人情報や契約前の内部メモを書きすぎると、あとで権限管理が難しくなります。
顧客管理では、入力できることより、見せてよい範囲を先に決めます。
Notionは、顧客管理の立ち上げには向いています。
営業プロセスを試し、項目を調整し、チームの運用を早く作れます。
ただし、Notionを正式なCRMとして使い続けるべきかは別問題です。
次の状態になったら、専用CRMやkintoneなどへ移す判断をします。
| 状態 | 移行を考える理由 |
|---|---|
| 営業担当者が増えた | 権限、入力統制、パイプライン集計が重要になる |
| 商談数が多い | 予実、確度、売上見込みの管理が必要になる |
| 問い合わせやフォーム連携が増えた | 重複排除、名寄せ、外部連携が必要になる |
| 見積、契約、請求とつながる | 正式台帳や承認履歴が必要になる |
| メール配信やMAと連携したい | 顧客セグメントと配信履歴が必要になる |
| 監査、権限、履歴が厳しくなる | Notionだけでは管理責任が重くなる |
Notionを使う意味がなくなるわけではありません。
CRMへ移した後も、Notionは営業ナレッジ、提案テンプレート、議事録、社内共有、商談レビューの場として使えます。
顧客マスタや正式な商談台帳はCRM。
提案の文脈、会議メモ、ナレッジ、社内レビューはNotion。
この分担の方が安定することも多いです。
Notion顧客管理は、最初から完璧なCRMを作ることが目的ではありません。
まず、会社、担当者、商談、対応履歴、タスクを分ける。
次に、ビューと週次レビューで営業の動きを見えるようにする。
最後に、規模や統制が必要になったら、正式なCRMへ移す。
この順番で考えると、Notionを無理に使い続けず、営業管理の土台として活かせます。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。