Notionシステム研究所 > Notion顧客管理テンプレートの選び方|CRMとして崩れない項目設計
2026年6月6日
•約12分で読めます
Notion顧客管理テンプレートの選び方を、会社DB、担当者DB、商談DB、対応履歴、営業タスク、ビュー、権限、CRM移行の観点で整理します。
Notionの顧客管理テンプレートを探しています。人気のCRMテンプレートを複製すれば十分ですか。
複製だけで済むこともある。ただしテンプレートは出発点じゃ。会社、担当者、商談、対応履歴、タスクが混ざったままなら、営業人数や商談数が増えた時にすぐ崩れる。
Notionには、顧客管理やCRM向けのテンプレートが多くあります。
会社名を一覧にするテンプレート。
リードを管理するテンプレート。
商談パイプラインをボードで見るテンプレート。
営業タスクやフォロー日を管理するテンプレート。
Notion公式の営業テンプレートカテゴリにも、リードや顧客関係、営業プロセスを管理するテンプレートが並んでいます。
テンプレートから始めるのは悪くありません。
ゼロからDBを作るより早く、画面の見た目も整っています。
ただし、テンプレートを複製しただけで顧客管理が完成するわけではありません。
こうした状態のまま使い始めると、テンプレートはすぐに「きれいな顧客メモ」になります。
Notion顧客管理テンプレートは、見た目や人気で選ぶのではなく、会社DB、担当者DB、商談DB、対応履歴DB、タスクDBがCRMとして分かれているかで選ぶ べきです。
この記事では、Notion顧客管理テンプレートの選び方を、必須DB、必須プロパティ、ビュー設計、権限、使い始めの調整、CRMへ移す判断まで整理します。
Notion顧客管理テンプレートを見るときは、最初に見た目を見ない方がよいです。
きれいなダッシュボード、カード表示、アイコン、サンプルデータは参考になります。
しかし、実務で重要なのは構造です。
まず確認するのは、次の5点です。
| 確認項目 | 見るべき理由 |
|---|---|
| 会社DBがあるか | 1社単位で顧客を管理できるか |
| 担当者DBがあるか | 複数担当者、異動、役割を扱えるか |
| 商談DBがあるか | 同じ会社に複数商談があっても追えるか |
| 対応履歴DBがあるか | メール、面談、電話、問い合わせの履歴を残せるか |
| タスクDBがあるか | 次回連絡、資料作成、見積送付を追えるか |
1つのDBだけで完結しているテンプレートは、個人の簡易管理には使えます。
しかし、チーム営業や継続的な顧客管理には足りないことが多いです。
Notion公式のテンプレートガイドでは、テンプレートはワークスペースに追加できる既成ページであり、追加後に自由に変更、編集、更新できると説明されています。
つまり、テンプレートは完成品ではありません。
自社の営業プロセスに合わせて直す前提で選ぶものです。
顧客管理テンプレートを選ぶときは、次の順番で見ます。
| 順番 | 確認すること | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 何を1行にしているか | 顧客、商談、担当者が混ざっていないか |
| 2 | DBが分かれているか | 会社、担当者、商談、履歴、タスクを分けられるか |
| 3 | 必須プロパティがあるか | 担当者、期限、フェーズ、次回連絡日があるか |
| 4 | ビューが実務向きか | 今日やること、確認待ち、フォロー漏れを見られるか |
| 5 | 権限を分けられるか | 顧客情報や商談情報を必要範囲に限定できるか |
| 6 | 将来移行できるか | CRMや会計ソフトへ移す余地があるか |
特に、1行の意味は重要です。
| テンプレートの1行 | 向いている用途 |
|---|---|
| 1行 = 1社 | 顧客台帳、会社別の管理 |
| 1行 = 1担当者 | 名刺管理、接点管理 |
| 1行 = 1商談 | パイプライン、売上見込み |
| 1行 = 1接点 | 対応履歴、面談ログ |
| 1行 = 1タスク | 次回連絡、営業作業 |
「顧客管理テンプレート」と書かれていても、実際には商談管理テンプレートのことがあります。
逆に、CRMテンプレートと書かれていても、会社名とメモだけの簡易台帳のこともあります。
名前ではなく、1行の意味とDBの分け方を見ます。
テンプレートを選ぶ時は、最低限次のDBがあるかを確認します。
| DB | 必須度 | なければ起きる問題 |
|---|---|---|
| 会社DB | 高 | 顧客企業の台帳が作れない |
| 担当者DB | 中 | 複数窓口、異動、決裁者を扱いにくい |
| 商談DB | 高 | 商談の進捗や見込みが会社情報に混ざる |
| 対応履歴DB | 中 | 面談やメールの経緯が本文に埋もれる |
| タスクDB | 高 | 次回連絡や資料作成が追えない |
小さく始めるなら、会社DB、商談DB、タスクDBの3つでも構いません。
ただし、顧客対応が増えるなら担当者DBと対応履歴DBも必要になります。
テンプレート例として、NotionマーケットプレイスにはCRMとパイプラインを扱うテンプレートもあります。
Notion Marketplace:Simple CRM + Pipeline
ただし、個別テンプレートはあくまで例です。
採用する前に、自社の営業プロセスに必要なDBがあるかを見ます。
必要なDBがなければ、テンプレートを使わないのではなく、複製後に追加します。
| 足りないDB | 追加する理由 |
|---|---|
| 担当者DB | 1社に複数人いる顧客を扱うため |
| 対応履歴DB | 面談、メール、電話の接点を追うため |
| タスクDB | 次回アクションを漏らさないため |
| 商品、サービスDB | 複数商材の提案を扱うため |
| 請求前確認DB | 契約や請求前の確認を分けるため |
DBがあっても、プロパティが足りないと運用できません。
まず、会社DBには次の項目が必要です。
| プロパティ | 型 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 会社名 | タイトル | 1社を識別できるか |
| 種別 | セレクト | リード、既存顧客、休眠、パートナーなどを分けられるか |
| 担当営業 | ユーザー | 社内責任者が分かるか |
| 契約状況 | ステータス | 未契約、商談中、契約中、解約などを管理できるか |
| 関連商談 | リレーション | 商談DBとつながるか |
| 関連担当者 | リレーション | 担当者DBとつながるか |
| 最終接点日 | ロールアップ、日付 | 放置顧客を見つけられるか |
商談DBには、次の項目が必要です。
| プロパティ | 型 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 商談名 | タイトル | 提案や案件を識別できるか |
| 会社 | リレーション | 顧客と紐づくか |
| 社内担当 | ユーザー | 誰が追うか分かるか |
| フェーズ | ステータス | 営業プロセスに合っているか |
| 見込み金額 | 数値 | 売上見込みを見られるか |
| 受注予定日 | 日付 | いつ決まる見込みか分かるか |
| 次回アクション | リレーション | タスクDBとつながるか |
| 失注理由 | セレクト、テキスト | 振り返りに使えるか |
タスクDBには、次の項目が必要です。
| プロパティ | 型 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| タスク名 | タイトル | 何をするか分かるか |
| 担当者 | ユーザー | 実行者が分かるか |
| 期限 | 日付 | 遅れを拾えるか |
| ステータス | ステータス | 未着手、進行中、確認待ち、完了を分けられるか |
| 関連会社 | リレーション | 顧客別に見られるか |
| 関連商談 | リレーション | 商談別に見られるか |
| 完了条件 | テキスト | 何をもって完了か分かるか |
テンプレートにプロパティが多すぎる場合も注意します。
使わない列が多いと、入力されません。
最初は、担当者、期限、フェーズ、次回アクション、最終接点日を確実に入れる方が重要です。
顧客管理テンプレートは、DBの中身だけでなくビューを見ます。
営業チームで使うなら、最低限次のビューが必要です。
| ビュー | 目的 |
|---|---|
| 商談パイプライン | フェーズ別に商談を見る |
| 今日の営業タスク | 今日までに対応すべき作業を見る |
| 自分の担当顧客 | 担当者別に会社や商談を見る |
| フォロー漏れ | 最終接点日や次回連絡日から放置を見つける |
| 確認待ち | 見積、提案、契約前確認を拾う |
| 失注一覧 | 失注理由を振り返る |
見た目が整ったダッシュボードでも、フォロー漏れを見つけられないなら実務では弱いです。
特に必要なのは、日次と週次のビューです。
| タイミング | 見るビュー |
|---|---|
| 毎朝 | 今日の営業タスク、期限超過 |
| 営業会議 | 商談パイプライン、確認待ち、失注一覧 |
| 週次 | フォロー漏れ、担当者未設定、次回連絡日なし |
| 月次 | 見込み金額、受注、失注理由、CRM移行の必要性 |
テンプレートにビューがなければ、複製後に追加します。
Notionテンプレートは、複製後にDBプロパティやビューを変更できるものとして考えます。
顧客管理テンプレートは、権限も確認します。
テンプレートの中には、サンプル用にすべての情報が同じページに置かれているものがあります。
そのまま実運用にすると、見せるべきでない情報まで広がります。
| 情報 | 権限の考え方 |
|---|---|
| 会社名、公開情報 | 営業チーム内で共有しやすい |
| 担当者名、メール、電話 | 必要なメンバーに限定する |
| 商談金額、確度 | 営業、経営、関係者に限定する |
| 契約条件、請求前情報 | Notion外や限定DBで扱う |
| 面談メモ、内部メモ | 外部共有ページには出さない |
外部共有ページに、顧客管理DBのリンクドビューを置く場合は特に注意します。
顧客名、担当者、商談金額、社内メモが見えていないか確認します。
顧客向けページを作るなら、社内CRM用DBとは分けます。
テンプレートを選ぶ段階で、権限を分けやすい構造かを見ておくべきです。
テンプレートを複製したら、そのまま使い始めず、先に調整します。
最低限、次の作業をします。
| 調整 | 内容 |
|---|---|
| サンプルデータ削除 | 例示用の顧客、商談、タスクを消す |
| フェーズ名の変更 | 自社の営業プロセスに合わせる |
| プロパティ整理 | 使わない項目を削除し、必須項目を追加する |
| リレーション確認 | 会社、担当者、商談、タスクがつながっているか見る |
| ビュー追加 | 今日のタスク、フォロー漏れ、確認待ちを作る |
| 権限設定 | 顧客情報を見られる範囲を決める |
| 入力ルール作成 | どの項目を誰がいつ入れるか決める |
特にフェーズ名は、自社の営業プロセスに合わせます。
| よくあるフェーズ | 調整例 |
|---|---|
| Lead | リード |
| Contacted | 初回接点 |
| Proposal | 提案中 |
| Negotiation | 見積、条件調整 |
| Closed won | 受注 |
| Closed lost | 失注 |
英語のままでも使えますが、チームで意味が揃わないなら日本語にします。
また、テンプレートにAI要約欄を追加する場合は、正式メモと分けます。
| AIで作る | 人が確認する |
|---|---|
| 面談要約の下書き | 顧客履歴に残す内容 |
| 優先度候補 | 実際の優先度 |
| 次回アクション候補 | 担当者と期限 |
| 失注理由の分類候補 | 最終的な失注理由 |
AI出力をそのまま顧客履歴や商談フェーズに反映しない方がよいです。
顧客管理では、誤読や過剰な要約が営業判断に影響します。
Notion顧客管理テンプレートは、立ち上げには便利です。
営業プロセスを試し、必要項目を固め、チームの運用を作るには向いています。
ただし、次の状態になったら、専用CRMやkintoneなどへ移す判断をします。
| サイン | 理由 |
|---|---|
| 商談数が多くなった | パイプライン集計、売上予測、履歴管理が重くなる |
| 営業担当者が増えた | 権限、入力ルール、レビュー運用が複雑になる |
| フォーム、MA、メール配信と連携したい | 顧客セグメントや配信履歴が必要になる |
| 見積、契約、請求とつながる | 正式台帳や承認履歴が必要になる |
| 名寄せや重複排除が増えた | 顧客マスタとしての品質管理が必要になる |
| 監査や権限要件が強い | Notionだけでの管理責任が重くなる |
Notionをやめるという意味ではありません。
CRMへ移した後も、Notionは営業ナレッジ、提案テンプレート、議事録、商談レビュー、社内共有に使えます。
テンプレートは、最初の営業管理を形にするための入口です。
その入口で、会社、担当者、商談、対応履歴、タスクを分けておけば、あとでCRMへ移す時も整理しやすくなります。
Notion顧客管理テンプレートを選ぶ時は、見た目ではなく、業務データの分け方を見る。
この判断だけで、テンプレートがただのメモ帳で終わるか、小さなCRMとして育つかが変わります。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。