Notionシステム研究所 > Notionデータベースの作り方|業務で使えるプロパティ・ビュー設計
2026年6月5日
•約16分で読めます
Notionデータベースの作り方を、表を作る操作だけでなく、1行の意味、プロパティ、ビュー、権限、レビュー運用、Excelやkintoneへ分ける判断まで含めて解説します。
Notionでデータベースを作りたいです。テーブルを作って、列を足していけば十分ですか。
操作としてはそれで始められる。ただし業務で使うなら、先に「1行が何を表すか」を決めるべきじゃ。行の意味が曖昧なDBは、プロパティやビューを増やしてもすぐ崩れる。
Notionデータベースを作る操作は、難しくありません。
新しいページを作り、テーブルを選ぶ。列を追加し、プロパティの種類を選ぶ。ボード、カレンダー、ギャラリー、タイムラインなどのビューを追加する。フィルターや並べ替えを設定する。
Notion公式ヘルプにも、データベースの作成手順、プロパティ、ビュー、フィルター、並べ替えの基本がまとまっています。
ただし、実務で問題になるのは「Notionで表を作れるか」ではありません。
問題になるのは、次のような状態です。
Notionデータベースは、表ではなく、小さな業務システムとして設計する と考える方が安定します。
この記事では、Notionデータベースの作り方を、操作手順だけでなく、1行の意味、プロパティ、ビュー、権限、レビュー運用、Excelやkintoneへ分ける判断まで含めて整理します。
Notionデータベースで最初に決めるべきなのは、プロパティではありません。
最初に決めるべきなのは、1行が何を表すかです。
| 作りたいもの | 1行の意味 | よくない混ぜ方 |
|---|---|---|
| 案件管理 | 1行 = 1案件 | 案件行の中にタスクや議事録を直接書く |
| タスク管理 | 1行 = 1タスク | 1行に複数人分の作業をまとめる |
| 議事録 | 1行 = 1会議 | 会議ごとのページにタスクを埋めたままにする |
| 日報 | 1行 = 1人の1日分 | 週報、相談、タスクを同じ行に混ぜる |
| ナレッジ | 1行 = 1手順、1FAQ、1ルール | 雑多なメモ置き場にする |
| 顧客管理 | 1行 = 1社または1担当者 | 顧客、商談、請求を同じDBにする |
1行の意味が決まると、プロパティも自然に決まります。
たとえば、タスクDBなら担当者、期限、ステータス、確認者、完了条件が必要です。
議事録DBなら会議日、参加者、関連プロジェクト、決定事項、対応事項候補が必要です。
逆に、1行の意味が曖昧なままプロパティを増やすと、DBはすぐに壊れます。
| 曖昧なDB | 起きること |
|---|---|
| 「プロジェクト・タスク管理DB」 | 案件行とタスク行が混ざり、担当者別ビューが作れない |
| 「メモDB」 | 議事録、ナレッジ、アイデアが混ざり、検索頼みになる |
| 「顧客・商談DB」 | 会社情報と商談進捗が混ざり、履歴が追いにくい |
| 「日報・週報DB」 | 日次入力と週次レビューが混ざり、集計しにくい |
Notionデータベースは、先に行の単位を決める。
その後にプロパティ、ビュー、権限、運用を決める。
この順番を守るだけで、かなり崩れにくくなります。
Notionには、表のように情報を並べる方法が複数あります。
簡単な表で十分なものもあれば、データベースにした方がよいものもあります。
| 使い方 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| シンプルな表 | 比較表、料金表、チェックリスト、単発の整理 | フィルター、ビュー、リレーションには向かない |
| データベース | 案件、タスク、議事録、日報、ナレッジなど継続管理する情報 | 1行の意味とプロパティ設計が必要 |
| リンクドビュー | 同じDBを別ページやダッシュボードで見せる | 元DBの権限と編集影響に注意 |
| 外部ツール | 請求、契約、承認、顧客マスタ、厳密な履歴管理 | Notionを入口や説明ページに留める |
Notion公式ヘルプでは、データベースの各アイテムは独自のNotionページとして開け、プロパティや中身のコンテンツを編集できると説明されています。
この特徴が、Notionデータベースの強みです。
1行が単なる表の行ではなく、1つのページになる。
そのため、タスクの詳細、議事録本文、案件の背景、ナレッジの手順などを行の中に持てます。
一方で、何でもページに書けるため、情報が散らばりやすいのもNotionの弱点です。
DBにすべきか迷ったら、次の基準で判断します。
| 質問 | DBにするべきか |
|---|---|
| 同じ種類の情報が10件以上増えそうか | 増えるならDB向き |
| 担当者、期限、状態などで絞り込みたいか | 絞り込みたいならDB向き |
| ボード、カレンダー、一覧など複数の見方が必要か | 必要ならDB向き |
| 他のDBとリレーションしたいか | つなぎたいならDB向き |
| 1回だけ整理できればよいか | それならシンプルな表でよい |
Notionデータベースは便利ですが、すべての業務をNotionでDB化する必要はありません。
Notionに向いているのは、文書、タスク、会議、軽い管理が近い業務です。
| Notion DBに向く | 理由 |
|---|---|
| 案件管理 | 概要、タスク、議事録、資料を近くに置ける |
| タスク管理 | 担当者、期限、ステータス、確認待ちで見られる |
| 議事録 | 会議本文と対応事項を同じページで扱える |
| 日報 | 入力、確認、週報化、困りごとの抽出がしやすい |
| ナレッジ | 手順、FAQ、社内ルールをタグや部署で整理できる |
| 採用候補者の軽い管理 | 面談メモ、状態、担当者を一覧化できる |
プロジェクト管理で使うDBの分け方は、別記事で詳しく整理しています。
一方で、次の業務はNotionだけで完結させない方がよいです。
| 分けた方がよい業務 | 理由 |
|---|---|
| 請求、入金、会計 | 正式な帳簿、証憑、権限、監査が必要 |
| 契約管理 | 承認履歴、版管理、締結状況の正確性が必要 |
| 顧客マスタ | 重複排除、外部連携、権限、変更履歴が重要 |
| 厳密な承認フロー | 誰がいつ承認したかの履歴が必要 |
| 大量の外部ユーザー入力 | フォーム、ポータル、CRMの方が安全 |
| 複雑な工程管理 | Jira、Backlog、Asana、kintoneなどが向く場合がある |
Notionは、業務の形を早く作り、チームで試すには強いです。
ただし、正式な台帳、会計、契約、承認、個人情報、監査ログまでNotionに寄せすぎると危険です。
Notionで始める業務と、最初から別システムに分ける業務を決めることもDB設計の一部 です。
Notionデータベースを作る時は、最初からプロパティを増やしすぎない方がよいです。
おすすめは、最小セットから始めることです。
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 案件名 | タイトル | 1案件を識別する |
| 状態 | ステータス | 未着手、進行中、確認待ち、保留、完了を分ける |
| 責任者 | ユーザー | 最終責任者を決める |
| 期限 | 日付 | 放置と遅れを見つける |
| 関連タスク | リレーション | タスクDBとつなぐ |
| 関連議事録 | リレーション | 会議の文脈とつなぐ |
| 次回確認日 | 日付 | レビュー対象を拾う |
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| タスク名 | タイトル | 作業内容を具体的に書く |
| 関連案件 | リレーション | どの案件の作業か分ける |
| 担当者 | ユーザー | 実行責任を持つ人 |
| 確認者 | ユーザー | 完了判定する人 |
| 期限 | 日付 | 遅れを見つける |
| ステータス | ステータス | 未着手、進行中、確認待ち、保留、完了を分ける |
| 完了条件 | テキスト | 何をもって終わりか決める |
| プロパティ | 型 | 目的 |
|---|---|---|
| 会議名 | タイトル | 会議を識別する |
| 会議日 | 日付 | 時系列で探す |
| 関連案件 | リレーション | 案件と紐づける |
| 参加者 | ユーザー | 誰が参加したか残す |
| 決定事項あり | チェックボックス | 後から判断を拾う |
| 対応事項あり | チェックボックス | タスク化漏れを拾う |
| 確認状態 | ステータス | 下書き、確認待ち、確定を分ける |
プロパティ設計で大事なのは、入力しやすさとレビューしやすさの両方です。
入力する人にとっては、項目が少ない方がよいです。
見る人にとっては、担当者、期限、状態、確認者、次回確認日がないと判断できません。
最初は「毎日入力する項目」と「会議で見る項目」だけに絞ります。
Notionデータベースは、同じデータを複数のビューで表示できます。
Jicooの記事でも、テーブル、ボード、タイムライン、カレンダー、リスト、ギャラリー、チャート、ダッシュボードなど、用途別のビューが整理されています。
ただし、ビューは増やせばよいわけではありません。
ビューは、見る人と目的で決めます。
| ビュー | 向いている用途 | 業務での使い方 |
|---|---|---|
| テーブル | 入力、一覧確認、項目の整備 | 管理者がDBを整える |
| ボード | ステータス別の進捗確認 | タスクを未着手、進行中、確認待ちで見る |
| カレンダー | 日付で見る情報 | 期限、会議日、公開日を見る |
| タイムライン | 期間と工程を見る | 案件、制作、開発の大まかな工程を見る |
| リスト | シンプルに読む情報 | 議事録、ナレッジ、FAQを見る |
| ギャラリー | 画像や資料を見せる情報 | デザイン案、資料、ポートフォリオを見る |
おすすめは、最初にテーブルビューを作り、必要に応じてボード、カレンダー、リストを足すことです。
| 業務 | 最初に作るビュー |
|---|---|
| タスク管理 | テーブル、自分のタスク、確認待ち、期限超過 |
| 案件管理 | テーブル、進行中ボード、期限順、週次レビュー |
| 議事録 | リスト、会議日順、未確認、関連案件別 |
| 日報 | カレンダー、未確認、部署別、困りごと |
| ナレッジ | リスト、カテゴリ別、更新待ち |
ビューは見た目の切り替えではなく、誰が何を判断するかを分けるために作る と考えると、Notion DBは業務に合いやすくなります。
Notionデータベースを業務で使うなら、フィルターと並べ替えは必須です。
全件表示のテーブルだけでは、使う人が毎回探すことになります。
公式ヘルプでも、プロパティによるフィルターや並べ替えを使って、条件に合うページを表示できると説明されています。
最初に作るべきフィルターは、次のようなものです。
| ビュー名 | フィルター | 並べ替え |
|---|---|---|
| 自分の未完了 | 担当者が自分、ステータスが完了以外 | 期限が近い順 |
| 期限超過 | 期限が今日より前、ステータスが完了以外 | 期限が古い順 |
| 確認待ち | ステータスが確認待ち | 確認者、期限順 |
| 今週の会議 | 会議日が今週 | 会議日が近い順 |
| 未確認議事録 | 確認状態が確認待ち | 会議日が新しい順 |
| 更新待ちナレッジ | 最終更新日が一定期間前 | 最終更新日が古い順 |
フィルターは、業務の滞留を見つけるために使います。
見たい情報を探すためではなく、見落とすと困る情報を自動で前に出すために使います。
Notionデータベースは、共有しやすい反面、見せすぎの事故も起きやすいです。
特に、リンクドビューやダッシュボードにDBを置く場合は、元DBの権限を確認します。
| 共有先 | 見せてよいもの | 見せない方がよいもの |
|---|---|---|
| 全メンバー | 自分のタスク、共通ナレッジ、公開議事録 | 人事、評価、原価、契約 |
| マネージャー | 期限超過、確認待ち、未確認日報 | 不要な個人メモ |
| 外部パートナー | 共有対象案件、確認依頼、公開ナレッジ | 社内議事録、社内日報、原価 |
| 顧客 | 進捗概要、提出物、確認依頼 | 内部コメント、他社案件、作業メモ |
ビューの編集権限も決めておきます。
誰でもビューを追加、削除、フィルター変更できる状態にすると、チームで見る基準が崩れます。
| 権限 | 任せる人 |
|---|---|
| DB構造の変更 | 管理者、業務責任者 |
| ビューの追加と削除 | 管理者、チームリーダー |
| 行の追加と更新 | 担当者、確認者 |
| 外部共有 | 責任者のみ |
Notionは柔軟なので、現場がすぐ直せます。
その柔軟さは強みですが、業務DBでは「誰が構造を変えてよいか」を決めないと、同じDBがすぐに別物になります。
Notionデータベースは、作った直後より、1か月後に差が出ます。
よくある失敗は次の通りです。
| 失敗 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 入力されない | プロパティが多すぎる | 必須項目を減らし、会議で見る項目だけ残す |
| ステータスが古い | 更新タイミングがない | 朝会や週次レビューで更新する |
| 同じDBが増える | 複製で始めすぎる | 元DBを1つにし、リンクドビューで見せる |
| タスクが消える | 議事録本文に埋もれる | 対応事項をタスクDBへ切り出す |
| 確認待ちが止まる | 確認者ビューがない | 確認待ちビューを責任者が見る |
| 外部共有が怖い | 社内用と外部用が混ざる | 共有専用ビューや専用DBを分ける |
| 重くなる | 全件、画像、ギャラリーを載せすぎる | 表示件数、プロパティ、ビュー数を絞る |
運用を保つには、DBごとに次の4点を決めます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 入力する人 | 担当者、議事録担当、上長 |
| 確認する人 | 確認者、責任者、管理者 |
| 見るタイミング | 毎朝、会議直後、週次レビュー |
| 消す基準 | 使われないビュー、重複プロパティ、古いテンプレート |
Notion AIを使う場合も、同じです。
Notion公式ヘルプでは、Notion AIで新しいデータベースを作成できる一方、既存DBの編集やDBテンプレート作成などには制約があると説明されています。
Notion公式ヘルプ:Notion AIでデータベースを作成する
AIは、DBのたたき台やプロパティ案を出すには便利です。
ただし、正式なプロパティ、権限、入力ルール、外部共有範囲は人が確認します。
Notionデータベースは、業務の形を早く作るには向いています。
しかし、すべてのDBをNotionに残す必要はありません。
次の状態になったら、Excel、Googleスプレッドシート、kintone、CRM、プロジェクト管理ツールへの分離を検討します。
| 状態 | 移行先の候補 |
|---|---|
| 数式や集計が複雑になり、表計算が中心になった | Excel、Googleスプレッドシート |
| 承認、通知、権限、履歴管理が重要になった | kintone |
| 顧客、商談、メール履歴とつなぎたい | CRM |
| 開発タスク、障害、リリース管理が中心になった | Jira、Backlog、GitHub Issues |
| 顧客や外部ユーザーが入力する | フォーム、ポータル、専用Webアプリ |
| 請求、契約、会計に関わる | freee、クラウドサイン、基幹システム |
Notionは、業務DBの設計を試す場所としては強いです。
1行の意味、プロパティ、ビュー、確認フローをNotionで固める。
その後、正式な権限、履歴、外部入力、集計が必要になった部分だけを専用ツールへ移す。
この順番なら、最初から重いシステムを作るより速く、現場の理解も揃いやすいです。
Notionデータベースは、テーブルを作って列を増やすだけならすぐに始められます。
しかし、業務で使うなら、最初に1行の意味を決めます。
案件DBなら1行は1案件。タスクDBなら1行は1タスク。議事録DBなら1行は1会議。ここが曖昧だと、プロパティやビューを増やしても運用は崩れます。
次に、最小プロパティを決めます。担当者、期限、状態、確認者、関連DB、次回確認日など、会議や日次作業で本当に見る項目だけに絞ります。
ビューは、テーブル、ボード、カレンダー、リスト、ギャラリーを見た目で選ぶのではなく、誰が何を判断するかで分けます。
そして、権限、更新責任、レビュータイミング、外部ツールへ分ける基準まで決めます。
Notionデータベースは、表ではありません。
案件、タスク、議事録、日報、ナレッジを小さな業務システムとして動かすための設計単位です。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。