脱エクセル研究所 > 無料・登録不要の請求管理表Excelテンプレート|使い方とシステム化の判断基準
2026年4月20日
•約14分で読めます
小規模な請求管理向けのExcelテンプレートを配布。請求一覧、請求明細、入金管理、未入金一覧、月次集計の使い方と、Excelで続けてよい条件・システム化すべき条件を解説します。
請求管理は、まずExcelで始めても大丈夫でしょうか。それとも最初から請求管理システムを入れた方がいいですか。
請求件数や担当者が少ないうちは、Excelで流れを整理するのはよい始め方じゃ。ただし、請求書発行、入金消込、未入金確認、会計連携まで増えると、Excelだけでは漏れが出やすくなるぞ。
請求管理表は、請求No、顧客、請求日、支払期日、請求明細、入金状況、未入金金額をまとめるための管理表です。
この記事では、すぐに使える請求管理表のExcelテンプレートと、その使い方を紹介します。あわせて、Excelのままでよい条件、システム化した方がよい条件、おすすめツール、ツールだけでは対応しきれないケースも整理します。
まずは、こちらの請求管理表Excelテンプレートを開いて、中身を確認してみてください。
このテンプレートは、中身を確認しやすいようにGoogleスプレッドシート形式でも配布しています。Google Driveを開けない場合や、すぐExcelで使いたい場合は、次のファイルをダウンロードしてください。
無料・登録不要の請求管理表Excelテンプレートをダウンロードする
自社用にコピーして使う場合は、次のリンクから使えます。
無料・登録不要の請求管理表Excelテンプレートをコピーする
このテンプレートには、次のシートを入れています。
| シート | 用途 |
|---|---|
| ダッシュボード | 請求件数、税込請求額、入金済額、未入金額、期限超過を確認する |
| 請求一覧 | 請求No、顧客、請求日、支払期日、ステータス、税込合計を管理する |
| 請求明細 | 請求Noごとの商品、作業、数量、単価、税抜金額を管理する |
| 入金管理 | 入金日、入金額、入金方法、消込状況を記録する |
| 未入金一覧 | 支払期日、未入金金額、期限判定を確認する |
| 顧客マスタ | 顧客ID、顧客名、支払条件、請求先情報を管理する |
| 商品_作業マスタ | 商品や作業のID、名称、単位、標準単価を管理する |
| 月次集計 | 月別の請求件数、請求金額、入金金額、未入金金額を確認する |
| 使い方 | テンプレートの使い方と判断基準を確認する |
このExcelは、小規模な請求管理を整理するためのたたき台 です。
請求管理は、請求書を作って送るだけではありません。請求した金額が、いつ、いくら入金され、未入金がどれだけ残っているかを追える状態にすることが大事です。
まずは、請求Noをどう付けるか、請求日と支払期日をどう決めるか、入金をいつ消し込むか を決めるところから始めましょう。
使い方は、次の順番です。
最初に、顧客マスタと商品/作業マスタを登録します。
顧客マスタでは、次の項目を管理します。
商品/作業マスタでは、次の項目を管理します。
顧客名や品目名を毎回手入力すると、表記ゆれが起きます。まずIDを決めて、請求一覧や請求明細では同じIDを使うようにしましょう。
請求一覧では、請求1件につき1行で概要を管理します。
税抜金額、消費税、税込合計、入金済額、未入金額、期限判定は自動計算にしています。
ステータスは、まず次の5つで管理します。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| 作成中 | まだ請求内容を作っている |
| 送付待ち | 請求書をまだ顧客に送っていない |
| 送付済 | 顧客へ請求書を送付済み |
| 一部入金 | 請求額の一部だけ入金されている |
| 入金済 | 請求額の全額が入金されている |
請求管理表は、請求書を作る表ではなく、請求漏れと入金漏れを防ぐための表 です。
請求明細では、請求Noごとに商品や作業を1行ずつ入力します。
商品/作業IDを入れると、品目名、区分、単位、標準単価が商品/作業マスタから参照されます。
税抜金額は、次のように計算します。
数量 × 単価 = 税抜金額
請求一覧側では、同じ請求Noの明細金額を合計します。
請求一覧に合計金額を直接入力するのではなく、明細から集計するんですね。
そうじゃ。明細を分けておけば、どの作業や商品を請求したのかが後から追える。請求額の根拠も説明しやすくなるぞ。
入金管理では、入金があったタイミングで記録します。
1つの請求に対して分割入金がある場合は、同じ請求Noで入金行を複数作ります。請求一覧では、入金済額と未入金額を自動で確認できます。
入金管理で大事なのは、入金額だけでなく、どの請求に対する入金なのか を残すことです。
未入金一覧では、まだ入金が完了していない請求を確認します。
ダッシュボードでは、次の数字を確認できます。
特に見たいのは、未入金額 と 期限超過 です。
請求書を送ったつもりでも、顧客に届いていない、支払期日を過ぎている、入金はあったが消込できていない、といった状態が残ることがあります。
月末だけでなく、週1回は未入金一覧を確認し、督促が必要な請求を早めに見つけましょう。
請求管理表のテンプレートは、ダウンロードしてから開くより、先に中身を確認できた方が使いやすいです。
この配布形式では、テンプレートを開いた後にExcel形式でダウンロードできます。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 中身を確認してから使える | ダウンロード前にシート構成や計算式を見られる |
| コピーして試せる | 自社用のテンプレートとして複製して編集できる |
| Excel形式で使える | 開いた後にExcel形式でダウンロードできる |
| 使う前に判断できる | 請求一覧、明細、入金管理、未入金一覧の構成を確認できる |
請求書の発行、送付履歴、入金消込、会計連携、電子保存まで必要になると、Excelテンプレートだけでは運用が苦しくなります。
テンプレートは、請求管理の項目と流れを整理するための入口 です。
請求管理表は、必ずしもすぐにシステム化する必要はありません。
次の条件に当てはまるなら、まずはExcelで十分なケースもあります。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 請求件数が少ない | 一覧で状況を追いやすい |
| 担当者が少ない | 更新ルールを統一しやすい |
| 分割入金や相殺が少ない | 消込の判断が複雑になりにくい |
| 請求書発行は別ツールで行っている | 管理表が請求状況の確認に集中できる |
| 会計入力は税理士や別担当が行っている | Excel上で会計処理まで抱え込まなくてよい |
| 管理項目を固める段階 | 列やステータスを試しやすい |
Excelの強みは、列やシートをすぐに変えられることです。
まだ請求Noの付け方が固まっていない、支払条件の分類を試している、未入金の確認ルールを探している。こうした段階では、いきなりシステムに合わせるより、Excelで運用ルールを整える方が進めやすいです。
請求件数が少なく、入金消込が単純なら、まずExcelで請求ルールを固める のが現実的です。
一方で、次の状態になっているなら、Excelのまま続けるのは危険です。
| 条件 | 起きやすい問題 |
|---|---|
| 複数人が請求書を発行している | 請求Noの重複や送付漏れが起きる |
| 入金消込を手作業で行っている | 入金済みなのに未入金のまま残る |
| 分割入金、相殺、値引きが多い | どの請求に対する入金か分からなくなる |
| 見積、受注、納品、請求がつながっている | 転記や二重入力が増える |
| 会計ソフトへの入力も同じ表を見て行っている | 仕訳漏れや金額のズレが起きやすい |
| 月末に毎回未入金を集計し直している | 管理表ではなく確認作業のための表になる |
特に、請求管理が見積、受注、納品、入金、会計とつながり始めたら注意が必要です。
見積を受注し、納品や検収が終わったら請求書を発行し、入金を消し込み、会計に反映する。この流れをExcelだけでつなぐと、どこかで転記や確認が発生します。
最初は何とか回っていても、件数が増えるほど、請求漏れ、送付漏れ、入金確認漏れ、仕訳漏れが起きやすくなります。
請求表が売上・入金・会計の判断材料になっているなら、システム化を検討する段階 です。
見積管理とあわせて整理したい場合は、こちらのテンプレートも使えます。
発注管理とあわせて整理したい場合は、こちらのテンプレートも使えます。
脱Excel全体の進め方を先に押さえたい場合は、こちらも参考になります。
システム移行前の項目整理や権限設計を考える場合は、こちらの記事で整理しています。
ここでは、2026年4月時点で、請求管理表のExcel運用から次に進むときに候補にしやすいツールを3つ紹介します。
boardは、見積書や請求書などの書類作成と、案件単位の販売管理をまとめて行いやすいクラウドサービスです。
公式サイトでは、見積書、発注書、納品書、請求書、領収書などの作成に加えて、案件単位で書類や周辺業務を管理できることが紹介されています。
向いているのは、次のようなケースです。
請求管理が営業や案件管理と近い場合に検討しやすいです。
freee請求書は、請求書の発行、送付、保存、入金管理を効率化するためのクラウドサービスです。
公式サイトでは、請求書や納品書の作成、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、入金管理や仕訳作成までの自動化が紹介されています。
向いているのは、次のようなケースです。
請求書発行から入金確認、会計への反映までを短くしたい場合に検討しやすいです。
マネーフォワード クラウド請求書は、見積書、納品書、請求書の作成、送付、保管を一元管理するためのクラウドサービスです。
公式サイトでは、テンプレートを使った書類作成、会計ソフト連携による仕訳作成、入金消込処理との連動、APIやCSVによる一括作成が紹介されています。
向いているのは、次のようなケースです。
請求書発行の実務を効率化しつつ、会計や既存システムとの連携も考えたい場合に検討しやすいです。
請求管理ツールを入れても、次のようなケースでは、そのままではうまく使えないことがあります。
| ケース | なぜ難しいか |
|---|---|
| 案件、契約、納品検収ごとに請求条件が変わる | 汎用ツールの固定項目だけでは判断条件を表現しにくい |
| 締め日、支払サイト、分割請求のルールが顧客ごとに違う | 自社独自の請求ロジックが必要になる |
| 基幹システム、販売管理、会計、CRMと連携したい | データの持ち方や連携タイミングを設計する必要がある |
| 請求書レイアウトや明細の出し方が特殊 | 標準帳票だけでは取引先の指定フォーマットに合わせにくい |
| 承認、差戻し、例外処理のルールが複雑 | 誰が、どの条件で、どこまで承認するかを整理する必要がある |
この場合は、ツール選定だけではなく、請求業務そのものを整理する必要があります。
ここを決めないままツールを入れると、結局ツール外のExcelやメモで補うことになりがちです。
請求管理のシステム化は、ツール導入より先に、請求ルールと例外処理を整理することが大事 です。
請求管理をシステム化するときは、いきなり全業務を移す必要はありません。
まずは、次の順番で整理すると進めやすいです。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 現在の請求管理表の列を棚卸しする |
| 2 | 請求一覧、請求明細、入金管理、顧客マスタに分ける |
| 3 | 請求No、顧客ID、案件IDなどのキーを決める |
| 4 | 請求書発行、入金消込、会計連携の責任範囲を分ける |
| 5 | 標準ツールで足りる部分と、個別設計が必要な部分を分ける |
特に大事なのは、請求書発行と入金管理を同じ表で抱え込みすぎないことです。
請求書発行に強いツール、案件管理に強いツール、会計連携に強いツールはそれぞれ違います。自社の請求管理がどこで詰まっているのかを見て、必要な範囲から移行しましょう。
ビットライトでは、Excelで動いている請求管理を、どこまでExcelで残し、どこからシステム化するかの整理から相談できます。
請求管理表は、請求件数や担当者が少ないうちはExcelでも始められます。
ただし、複数人で更新する、請求書発行と入金消込がつながる、未入金確認が増える、会計ソフトへの反映が必要になる、といった段階になると、Excelだけではミスが起きやすくなります。
まずはテンプレートで、請求一覧、請求明細、入金管理、未入金一覧を分けて整理してみてください。そのうえで、請求件数、入金消込の複雑さ、会計連携の必要性を見ながら、Excelで続けるか、システム化するかを判断しましょう。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。