Notionシステム研究所 > Notion数式の使い方|期限超過・進捗率・自動判定をDBに入れる
2026年6月6日
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Notion数式の使い方を、数式プロパティの作成、期限超過、残日数、進捗率、表示ラベル、リレーション・ロールアップ連携、エラー回避まで解説します。
Notionの数式で、期限超過や進捗率を自動で出せますか。
できる。ただし、式を作る前に、何を期限超過と呼ぶか、何を100%と見るかを決める必要がある。数式は業務ルールを映すものじゃ。
Notionの数式プロパティを使うと、データベース内の他のプロパティをもとに、計算、判定、表示ラベルの作成ができます。
Notion公式ヘルプでは、数式はデータベースプロパティ、ボタン、データベースボタン、データベースオートメーションで使えると説明されています。
公式ガイドでも、数式は既存プロパティを入力として使い、計算や整形を行って出力を作るものとして説明されています。
Notion公式ガイド:データベースの機能を拡張するNotion数式の作成方法
ただし、Notion数式は、Excelのようにセルごとに自由計算するためのものではありません。
Notion数式は、DBに入力されたプロパティから「会議で見る判断項目」を自動生成するための仕組み として設計します。
この記事では、Notion数式の使い方を、数式プロパティの作成、期限超過、残日数、進捗率、表示ラベル、リレーション・ロールアップ連携、よくあるエラーまで整理します。
Notion数式で作れるのは、主に次のような項目です。
| 作りたい項目 | 例 |
|---|---|
| 判定 | 期限超過、入力漏れ、確認待ち |
| 計算 | 進捗率、残工数、金額、スコア |
| 日付処理 | 残日数、経過日数、次回確認日 |
| 表示ラベル | 優先対応、レビュー待ち、要入力 |
| テキスト整形 | 顧客名 + 案件名、管理番号付きタイトル |
| リスト処理 | 関連タスク数、未完了数、タグ数 |
Notion公式の構文ヘルプでは、数式はプロパティ、組み込み、関数を組み合わせて作ると説明されています。
数式を作る前に、入力と出力を決めます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 入力に使うプロパティ | ステータス、期限、担当者、完了数 |
| 出したい結果 | 期限超過、残日数、進捗率 |
| 結果の型 | 文字列、数値、真偽値、日付 |
| 見る場所 | 期限超過ビュー、週次レビュー、担当者別ビュー |
式から考えるのではなく、ビューで何を見たいかから考えます。
数式プロパティは、データベースに追加して作ります。
数式 にする関数の編集 で式を書く公式ヘルプでは、数式エディターには入力欄、使用できるプロパティや関数のパネル、ライブプレビューがあると説明されています。
最初に作るなら、複雑な式ではなく、次のような短い式から始めます。
| 数式プロパティ | 目的 |
|---|---|
| 完了フラグ | 完了なら1、未完了なら0 |
| 期限判定 | 期限超過かどうか |
| 入力漏れ | 担当者や期限が空欄か |
| 表示名 | 会議で見やすい名称 |
長い数式を1本で書くより、短い数式プロパティを複数に分ける方が保守しやすいです。
期限超過は、Notion数式の定番です。
必要なプロパティは次の通りです。
| プロパティ | 型 | 例 |
|---|---|---|
| ステータス | ステータス | 未着手、進行中、完了 |
| 期限 | 日付 | 2026-06-30 |
| 期限判定 | 数式 | 期限超過、今日、余裕あり |
基本の考え方は、次の通りです。
完了していない、かつ期限が今日より前なら、期限超過
数式例は、実際のプロパティ名に合わせて調整します。
if(prop("ステータス") != "完了" and prop("期限") < today(), "期限超過", "")
この式では、完了していないタスクだけを対象にします。
期限だけを見ると、すでに完了した古いタスクまで期限超過として出てしまいます。
期限超過は、次のビューで使います。
| ビュー | フィルター |
|---|---|
| 期限超過 | 期限判定が期限超過 |
| 今日確認 | 期限が今日、完了以外 |
| 担当者別期限 | 担当者でグループ化 |
| 週次レビュー | 完了以外、期限が近い |
数式は、ビューに出して初めて業務で使えます。
残日数は、日付差分で出します。
考え方は次の通りです。
期限 - 今日 = 残日数
数式例です。
dateBetween(prop("期限"), today(), "days")
ただし、期限が空欄の場合の扱いを入れた方が安全です。
if(empty(prop("期限")), "", dateBetween(prop("期限"), today(), "days"))
残日数は、表示だけでなく優先度判定にも使えます。
| 残日数 | 表示 |
|---|---|
| 負の値 | 期限超過 |
| 0 | 今日 |
| 1〜3 | まもなく |
| 4以上 | 余裕あり |
残日数の見せ方は、チームで揃えます。
「あと1日」を急ぎと見るか、通常対応と見るかは業務によって違います。
進捗率は便利ですが、設計を間違えると信用されません。
まず、何を分母にするかを決めます。
| 方式 | 分母 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| タスク件数 | 全タスク数 | 軽いタスクが多い案件 |
| 見積ポイント | ポイント合計 | 重さが違うタスク |
| 工数 | 予定工数 | 工数管理に近い案件 |
| ステータス重み | 状態ごとの重み | ざっくり見る案件 |
単純な進捗率は、次の考え方です。
完了数 ÷ 全体数
数式例です。
if(prop("全体数") == 0, 0, prop("完了数") / prop("全体数"))
分母が0の時の処理を入れないと、空のプロジェクトでエラーや不自然な値が出ます。
プロジェクトDBとタスクDBを分けている場合は、タスク数や完了数をロールアップで集計し、その値を数式で割ります。
数式は、数値だけでなく表示ラベルにも使えます。
たとえば、会議で見るタスクに、短い警告ラベルを出します。
| 条件 | 表示ラベル |
|---|---|
| 担当者が空欄 | 担当者未設定 |
| 期限が空欄 | 期限未設定 |
| 期限超過 | 期限超過 |
| 確認待ち | 確認待ち |
考え方は次の通りです。
if(empty(prop("担当者")), "担当者未設定", "")
複数条件を入れる場合は、読みにくくなりがちです。
ifs(
empty(prop("担当者")), "担当者未設定",
empty(prop("期限")), "期限未設定",
prop("ステータス") == "確認待ち", "確認待ち",
""
)
複雑になったら、判定ごとに数式プロパティを分けます。
表示ラベルは便利ですが、何でもラベル化すると逆に見づらくなります。
会議で本当に見るものだけに絞ります。
Notion数式は、リレーションやロールアップと組み合わせると、プロジェクトや顧客単位の判断に使えます。
| 作りたいもの | 構成 |
|---|---|
| プロジェクト進捗率 | タスクDB + ロールアップ + 数式 |
| 顧客ごとの未対応数 | 顧客DB + 問い合わせDB + 数式 |
| 採用候補者の選考状態 | 候補者DB + ステータス + 数式 |
| Wiki更新漏れ | Wiki DB + 最終更新日 + 数式 |
数式だけで複数DBをまたぐのではなく、まずリレーションで構造を作ります。
そのうえで、ロールアップで必要な値を集計し、数式で判断に変えます。
| 役割 | 例 |
|---|---|
| リレーション | プロジェクトとタスクをつなぐ |
| ロールアップ | 完了数、全タスク数を集計する |
| 数式 | 完了率、警告、表示ラベルを作る |
Notion数式で詰まる原因は、だいたい決まっています。
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| プロパティ名が違う | 実際のプロパティを選び直す |
| 空欄を想定していない | empty で分岐する |
| 数値と文字列が混ざる | 型をそろえる |
| 分母が0になる | 0の場合の処理を入れる |
| 日付が空欄 | 日付がある時だけ計算する |
| ロールアップの型が違う | ロールアップ設定を確認する |
| 数式が長すぎる | 中間プロパティに分ける |
公式ヘルプでも、数式エディターには不足している要素や期待される値が表示されると説明されています。
エラーが出たら、長い式のまま直そうとしません。
次のように分解します。
Notion数式は、業務DBの判断補助に向いています。
一方で、次の計算はNotionで抱えすぎない方がよいです。
| 条件 | 任せる先 |
|---|---|
| セル単位の複雑な計算 | Excel、Googleスプレッドシート |
| 大量データの集計 | スプレッドシート、BI |
| ピボット集計 | Excel、BI |
| 会計・請求の正式数値 | freee、会計ソフト |
| 監査ログや承認が必要 | kintone、業務システム |
| APIで大量更新する | 外部DB、専用アプリ |
Notion数式は、現場で見る判断項目を作るには強いです。
しかし、正式な金額管理や大量集計まで任せると、あとで保守が重くなります。
Notionには、会議で見る状態、確認漏れ、進捗の目安を置く。
正式な計算や監査が必要なものは、外部ツールに分ける。
この境界を決めることが、Notion数式を長く使うためのポイントです。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。