脱エクセル研究所 > 求職者管理・案件マッチング表Excelテンプレート|人材業向けの使い方とシステム化の判断基準
2026年4月18日
•約17分で読めます
人材派遣・人材紹介向けの求職者管理・案件マッチング表Excelテンプレートを配布。使い方、Excelで続けてよい条件、システム化すべき条件、おすすめツール、プロに相談すべきケースを解説します。
人材派遣や人材紹介で、求職者と案件のマッチングをExcelで管理するなら、どんな表から作るのがよいでしょうか。
まずは、求職者、案件、マッチング履歴を分けて管理することじゃ。1枚の一覧に全部詰め込むと、あとから履歴も集計も崩れやすいぞ。
人材業では、求職者管理表、案件管理表、マッチング進捗表がよく使われます。
求職者の希望条件、スキル、稼働可能日。案件の職種、勤務地、単価、募集人数。さらに、誰をどの案件に提案して、面談や職場見学がどこまで進んでいるか。こうした情報をExcelで管理している会社は少なくありません。
この記事では、人材派遣・人材紹介向けの 求職者管理・案件マッチング表Excelテンプレート と、その使い方を紹介します。あわせて、Excelのままでよい条件、Excelをやめてシステム化した方がよい条件、おすすめツール、ツールだけでは対応しきれないケースも整理します。
まずは、こちらのExcelテンプレートを使ってみてください。
求職者管理・案件マッチング表Excelテンプレートをダウンロード
このテンプレートには、次のシートを入れています。
| シート | 用途 |
|---|---|
| ダッシュボード | 求職者数、募集中案件、選考中、フォロー要、候補者不足案件を確認する |
| 求職者一覧 | 求職者ID、希望条件、スキル、担当者、ステータスを管理する |
| 案件一覧 | 案件ID、企業・派遣先、職種、勤務地、募集人数、充足状況を管理する |
| マッチング管理 | 求職者IDと案件IDを紐づけ、提案から決定・辞退までの進捗を管理する |
| 面談選考 | 電話、面談、面接、職場見学、稼働後フォローなどの履歴を残す |
| 担当者別集計 | 担当者ごとの求職者数、案件数、提案中、選考中、決定率を確認する |
| マスタ | 担当者、ステータス、職種、区分、接触種別、辞退理由の選択肢を管理する |
| 使い方 | 入力手順、Excelで続ける条件、システム化の判断基準を確認する |
このExcelは、人材派遣・人材紹介のマッチング業務を整理するためのたたき台 です。
本格的な人材派遣管理システム、人材紹介CRM、求人媒体連携、契約・勤怠・請求管理まで行うものではありません。まずは、自社の求職者管理、案件管理、マッチング進捗に必要な項目を整理するために使ってください。
使い方は、次の順番です。
最初に、マスタシートで次の選択肢を確認します。
標準では、求職者ステータスを登録済、案件紹介中、選考中、決定、稼働中、辞退、休眠にしています。
マッチングステータスは、候補、提案中、選考中、決定、稼働中、辞退、見送り、保留にしています。
人材業のマッチング表では、ステータスの言葉を先にそろえる ことが大事です。
同じ「選考中」でも、書類選考なのか、面談調整中なのか、職場見学待ちなのかが担当者ごとに違うと、会議や引き継ぎで状況が分からなくなります。
求職者一覧シートでは、次の項目を入力します。
最終接触日、マッチング件数、選考中件数、決定案件ID、対応状況は自動計算にしています。
このテンプレートでは、求職者IDを共通キーにしています。
たとえば、求職者一覧に ST-001 と入れたら、マッチング管理や面談選考シートでも同じ ST-001 を使います。これによって、面談履歴やマッチング件数を求職者一覧へ集計できます。
求職者IDをそろえると、求職者・案件・面談履歴を後からつなげやすくなります。
案件一覧シートでは、次の項目を入力します。
決定人数、提案中、選考中、充足率、対応状況は自動計算にしています。
案件IDも、求職者IDと同じく途中で変えないことが大事です。
案件IDを JB-001 のように決めておくと、マッチング管理シートで「誰をどの案件に提案したか」を追えるようになります。
案件一覧では、特に 募集人数 と 決定人数 を見ると便利です。募集人数に対して決定人数が足りていない案件は、充足率や候補者不足の判定に反映されます。
マッチング管理シートでは、次の項目を入力します。
求職者名、企業・派遣先、職種、対応状況は自動表示にしています。
ここで大事なのは、提案中の人を一覧化するだけで終わらせない ことです。
マッチング管理表は、「次に誰が何をするか」を見る表です。次回確認日、次アクション、見送り・辞退理由を残しておくと、対応漏れや属人化を減らしやすくなります。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| OK | 次回確認日が未来の日付になっている |
| 期限超過 | 次回確認日が基準日より前になっている |
| 次回日未設定 | 進行中だが次回確認日が入っていない |
| 完了 | 決定、稼働中、辞退、見送りになっている |
マッチング管理表は、候補者リストではなく、次のアクションを管理する表 と考えると使いやすくなります。
面談選考シートでは、次の項目を入力します。
電話、メール、オンライン面談、来社面談、面接、職場見学、稼働後フォローなどの履歴を残します。
長い議事録を書く必要はありません。
「希望条件確認」「求人票送付」「職場見学日程調整」「面談結果回収」「辞退連絡受領」のように、あとから読んで分かる粒度で残せれば十分です。
担当者が休んだとき、引き継ぎが起きたとき、求職者から再問い合わせがあったときに、接触履歴が役立ちます。
ダッシュボードでは、求職者数、募集中案件、マッチング数、選考中、フォロー要、決定数、案件充足率、候補者不足案件、期限超過、辞退・失注を確認できます。
特に見たいのは、フォロー要 と 候補者不足案件 です。
フォロー要が増えている場合は、求職者との最終接触日が古くなっているか、次回確認日を過ぎたマッチングが残っている可能性があります。
候補者不足案件が増えている場合は、求人条件が厳しすぎる、候補者抽出条件が合っていない、担当者の割当が曖昧、媒体やスカウトの入口が足りない、といった原因を確認します。
求職者管理・案件マッチング表は、件数を数える表ではなく、対応漏れと機会損失を見つける表 です。
このテンプレートだけで、人材紹介CRMや派遣管理システムの代わりになるわけではないんですね。
そうじゃ。Excelでできるのは、求職者、案件、マッチングの型を整理するところまでじゃ。媒体連携、契約、勤怠、請求、個人情報の権限管理まで必要なら、システムの領域になる。
求職者管理や案件マッチングは、必ずしも最初からシステム化する必要はありません。
次の条件に当てはまるなら、まずはExcelで十分なケースもあります。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 求職者数や案件数が少ない | Excelでも全体を見渡しやすい |
| 担当者が少ない | 同時更新や引き継ぎ漏れが起きにくい |
| マッチングの件数が少ない | 提案中、選考中、決定を一覧で追いやすい |
| 求人媒体や応募者流入が限られている | 手入力でも転記漏れが起きにくい |
| 契約、勤怠、請求とは切り離して管理している | マッチング表だけで業務範囲が完結しやすい |
| 管理項目やステータスをまだ試している段階 | Excelの方が列や項目を柔軟に変えやすい |
| 集計は週次や月次で足りる | リアルタイムなKPI管理が必須ではない |
Excelの強みは、項目をすぐに変えられることです。
たとえば、通勤時間、希望シフト、リモート可否、紹介予定派遣の希望、資格更新日、希望年収、就業制限、職場見学の可否など、自社の運用に合わせて項目を試しながら追加できます。
マッチングルールや管理項目がまだ固まっていないなら、Excelで試してからシステム化する のが現実的です。
一方で、次の状態になっているなら、Excelのまま続けるのは危険です。
| 条件 | 起きやすい問題 |
|---|---|
| 複数拠点、複数担当者で同じ情報を更新している | ファイル競合、最新版不明、二重提案が起きる |
| 求職者数や案件数が増えている | 条件検索、候補者抽出、提案漏れの確認が重くなる |
| 求人媒体や応募フォームからの流入が多い | 転記漏れ、重複登録、初回対応遅れが起きる |
| 求職者の個人情報や履歴書を扱っている | 閲覧権限、持ち出し、ファイル管理のリスクが高くなる |
| マッチングから契約・勤怠・請求までつながっている | Excel間の突き合わせや二重入力が増える |
| 稼働後フォローや契約更新まで追いたい | 履歴と期限管理がExcelだけでは重くなる |
| 決定率、辞退理由、担当者別KPIを日常的に見たい | 会議前の手作業集計が増える |
| 連絡履歴、メール、SMS、面談予約を一元化したい | 個人メモや各ツールに情報が分散する |
特に、求職者情報、案件情報、マッチング進捗が営業会議や売上見込みの判断材料になっている場合は注意が必要です。
求職者はExcel、応募者はATS、案件は営業担当の表、面談予定はカレンダー、職場見学結果はメール、契約情報は別ファイル。このように情報が分かれると、どの情報が正しいのか分からなくなります。
最初は何とか回っていても、件数が増えるほど、重複登録、二重提案、対応漏れ、辞退理由の未記録、契約条件の確認漏れが起きやすくなります。
マッチング表が日々の営業判断や売上見込みの根拠になっているなら、システム化を検討する段階 です。
人材業全体の脱エクセルの考え方は、こちらの記事でも整理しています。
人材業の脱エクセルは何から始める?スタッフ管理・求人案件・契約請求の限界と現実的な進め方
案件管理のExcel運用については、こちらの記事も参考になります。
脱Excel全体の進め方を先に押さえたい場合は、こちらも参考になります。
求職者情報や案件情報をシステムへ移す前に、項目や権限を整理したい場合はこちらの記事も役立ちます。
ここでは、2026年4月時点で、求職者管理・案件マッチング表のExcel運用から次に進むときに候補にしやすいツールを3つ紹介します。
PORTERSは、人材紹介・人材派遣向けの業務管理システムです。
公式サイトでは、人材紹介・人材派遣の業務管理システムクラウドサービスとして、候補者、求人、案件ステータス、面談、マッチングなどの流れを一元管理する考え方が紹介されています。
向いているのは、次のようなケースです。
求職者と案件のマッチングを中心に、人材業務全体の標準化を進めたい会社に向いています。
RPMは、採用管理システムです。
公式サイトでは、応募管理、面接調整、媒体連携などの採用業務を一元管理・自動化するATSとして紹介されています。求人媒体連携、応募者対応の自動化、求人作成・掲載などの機能も説明されています。
向いているのは、次のようなケースです。
Excelの求職者管理表というより、応募者流入と初回対応の管理が限界になっている会社に向いています。
kintoneは、自社の業務に合わせてアプリを作れるクラウドサービスです。
公式サイトでは、顧客・案件管理として、顧客基本情報、案件、商談履歴などを一元管理できること、案件の進捗や売上予測をグラフで見える化できること、アプリ同士を連携できることが紹介されています。また、採用管理の用途では、応募者情報、選考状況、面談記録などを自社に合わせて管理する使い方も紹介されています。
向いているのは、次のようなケースです。
人材業の業務フローが独自で、既製パッケージに合わせるより柔軟に作りたい場合に候補になります。
ツールを入れれば、求職者管理や案件マッチングが自動的にうまくいくわけではありません。
次のようなケースでは、ツール導入だけでは解決しにくいです。
| ケース | ツールだけでは難しい理由 |
|---|---|
| ステータスの定義が部署ごとに違う | システムに入れても、入力される言葉の意味がそろわない |
| 求職者の重複登録ルールがない | 同じ人が複数IDで登録され、履歴が分断される |
| 案件条件の書き方が担当者ごとに違う | 検索やマッチングの精度が上がらない |
| マッチング基準が属人的 | システム上の候補者抽出だけでは現場判断を再現できない |
| 契約、勤怠、請求とのつながりが未整理 | どこまでをシステム化するか決められない |
| 個人情報や履歴書の権限設計が曖昧 | 閲覧範囲、持ち出し、退職者アカウントの管理が危険になる |
| 既存Excelが多く、どれが正本か分からない | データ移行前に整理が必要になる |
特に、人材業では「求職者」「応募者」「スタッフ」「稼働者」「候補者」という言葉が混ざりやすいです。
紹介と派遣が同じ会社にある場合、同じ人物でも、紹介候補者なのか、派遣スタッフなのか、稼働中なのか、休眠なのかで管理の意味が変わります。
ツール導入前に、言葉、ステータス、ID、履歴、権限を整理する ことが重要です。
次のような場合は、社内だけでツールを選ぶより、業務整理やシステム導入に慣れた人へ相談することをおすすめします。
ツール選定だけでなく、業務フロー、データ項目、ステータス、担当者ルール、権限、移行順序を先に整理した方が、失敗しにくくなります。
当社でも、Excel業務の棚卸し、脱エクセルの進め方、kintoneなどを使った業務システム化の相談に対応しています。
求職者管理・案件マッチング表は、人材業でよく使われるExcelです。
少人数、少件数、運用ルールの試行段階であれば、Excelで始めるのは現実的です。今回のテンプレートを使えば、求職者、案件、マッチング、面談履歴、担当者別集計を分けて整理できます。
一方で、複数担当者で同時更新している、求職者や案件が増えている、媒体連携や応募者対応が重い、契約・勤怠・請求までつながっている、個人情報の権限管理が必要になっている場合は、Excelのまま続けるのは危険です。
その場合は、PORTERS、RPM、kintoneなどの導入を検討しつつ、ツールだけで解決しない業務ルールやデータ設計を先に整理しましょう。
まずはテンプレートを使って、今の求職者管理・案件マッチング業務のどこがExcelで回り、どこからシステム化すべきかを確認してみてください。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。