Notionシステム研究所 > Notionカンバンの作り方|タスクが滞留しないボードビュー設計
2026年6月5日
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Notionでカンバンを作る方法を、ボードビュー、ステータス列、WIP、レビュー待ち、差し戻し、期限切れビュー、週次会議での使い方まで解説します。
Notionでカンバンを作りたいです。ボードビューを作って、未着手、進行中、完了の列を並べれば十分ですか。
最初の形としては十分じゃ。ただし実務では、それだけだと「進行中」にカードが積み上がる。カンバンで見るべきなのは、きれいに並んだカードではなく、どこで仕事が止まっているかじゃ。
Notionでカンバンを作ること自体は簡単です。
タスクDBを作る。ボードビューを追加する。ステータスでグループ化する。カードをドラッグして移動する。ここまでは、Notionの基本操作で作れます。
ただし、実務で問題になるのは、ボードの作り方ではありません。
問題になるのは、ボードを見ても仕事の詰まりが分からないことです。
よくある失敗は、次のような状態です。
Notionカンバンは、カードを横に動かす画面ではなく、滞留、レビュー待ち、差し戻し、期限切れを見つけて、次の対応を決める業務ボードとして設計する 方が実務向けです。
この記事では、Notionでカンバンを作る方法を、ボードビューの基本、ステータス列、WIP、レビュー待ち、差し戻し、期限切れビュー、週次会議、外部ツール判断まで含めて整理します。
Notionでカンバンを作るなら、データベースのボードビューを使います。
Notion公式ヘルプでは、ボードビューはデータベースページを特定のプロパティでグループ化して表示できるビューとして説明されています。ステータス、担当者、優先度などでグループ化でき、フィルター、並べ替え、カード表示も調整できます。
つまり、Notionのカンバンは独立した別機能ではありません。
同じタスクDBを、ステータス別に見せるビューです。
この考え方が重要です。
カンバン用に別のDBを作るのではなく、タスクDBを作り、その表示方法の1つとしてボードビューを作ります。
| 要素 | Notionでの作り方 |
|---|---|
| カード | タスクDBの1ページ |
| 列 | ステータスプロパティのグループ |
| 担当者 | ユーザープロパティ |
| 期限 | 日付プロパティ |
| 優先度 | セレクトプロパティ |
| 案件 | プロジェクトDBとのリレーション |
| 補足情報 | カード内の本文、添付、コメント |
最初に作るべきDBは、カンバンDBではなくタスクDBです。
タスクDBが整っていれば、同じデータをテーブル、ボード、カレンダー、タイムラインで切り替えて見られます。
逆に、ボードから先に作ると、見た目は分かりやすいものの、担当者、期限、確認者、完了条件が後付けになりやすいです。
Notionカンバンは、すべての業務に向いているわけではありません。
向いているのは、状態が少なく、カード単位で進み具合を見たい業務です。
| 向いている業務 | 理由 |
|---|---|
| 小さな改善タスク | 未着手、進行中、確認待ち、完了で流れを追いやすい |
| コンテンツ制作 | 企画、執筆、レビュー、公開の状態が明確 |
| 営業フォロー | 見込み、提案中、確認待ち、失注、受注を視覚化しやすい |
| 採用候補者管理 | 書類、面談、最終確認、内定などの状態管理に向く |
| 問い合わせ対応の軽い管理 | 未対応、対応中、確認待ち、完了を見やすい |
一方で、カンバンだけでは苦しくなる業務もあります。
| 向かない業務 | 理由 |
|---|---|
| 工程が日付中心の案件 | タイムラインやガントの方が見やすい |
| 依存関係が多い開発案件 | チケット管理やBacklog、Jiraの方が強い |
| SLAや障害対応がある業務 | 優先度、期限、通知、履歴管理が重くなる |
| 承認履歴が必要な業務 | ワークフローやkintoneの方が安全 |
| 原価、請求、在庫と連動する業務 | 会計、ERP、案件管理システムと分けるべき |
Notionカンバンは、流れを見える化するには便利です。
ただし、厳密な統制や監査を担うには弱いです。
工程表として使うなら、タイムラインビューやガントチャートの方が向く場面もあります。
Notionカンバンで最初に決めるのは、列です。
列は多すぎると使われません。
少なすぎると、詰まりが見えません。
おすすめは、次の6列です。
| ステータス列 | 意味 | 更新する人 |
|---|---|---|
| 未着手 | まだ作業していない | 管理者、担当者 |
| 進行中 | 担当者が作業している | 担当者 |
| 確認待ち | 作業は終わり、確認者の判断待ち | 担当者、確認者 |
| 差し戻し | 確認者が修正を求めた | 確認者、担当者 |
| 保留 | 顧客、素材、社内判断待ちで止まっている | 担当者、管理者 |
| 完了 | 完了条件を満たし、確認済み | 確認者 |
ここで重要なのは、「確認待ち」と「差し戻し」を分けることです。
実務では、担当者が終わったタスクと、確認者が承認したタスクは違います。
担当者が終わっただけなら、まだ完了ではありません。
確認者が見るべき状態なので、「確認待ち」に置きます。
修正が必要なら、「差し戻し」に戻します。
| 状態 | ボード上の扱い |
|---|---|
| 担当者が作業中 | 進行中 |
| 担当者が作業を終えた | 確認待ち |
| 確認者が修正を依頼した | 差し戻し |
| 外部回答待ちで動けない | 保留 |
| 確認者が完了条件を満たしたと判断した | 完了 |
カンバンの完了は、カードが右端に移動したことではなく、完了条件を確認者が満たしたと判断した状態にする のが安全です。
列名は、チーム内で意味が揃う名前にします。
「対応中」「作業中」「進行中」が混在すると、カードの位置を見ても判断できません。
カンバンで見るべきなのは、カード数です。
特に見るべきなのは、進行中と確認待ちのカード数です。
WIPは、Work In Progressの略で、同時進行中の作業量を意味します。
Notionに厳密なWIP制限機能があるわけではありません。
それでも、ボードの列ごとのカード数を見るだけで、詰まりはかなり見つけられます。
| 見る列 | 問題の兆候 | 対応 |
|---|---|---|
| 進行中 | 担当者が抱えすぎている | 新規着手を止める、担当を分ける |
| 確認待ち | 確認者側で詰まっている | 確認日を決める、確認者を増やす |
| 差し戻し | 品質基準や依頼内容が曖昧 | 完了条件を見直す |
| 保留 | 外部回答や社内判断が止まっている | 解除条件と次回確認日を入れる |
| 未着手 | 優先度が曖昧 | 今週着手するものを絞る |
Notion公式ヘルプでは、ボードの各列にはカード数などの計算を表示できると説明されています。
この列ごとの件数は、カンバン運用ではかなり重要です。
たとえば、進行中が15件、確認待ちが12件あるなら、新しいカードを増やす前に、滞留を解消した方がよいです。
| ルール | 例 |
|---|---|
| 進行中は担当者1人あたり3件まで | 4件目に着手する前に既存カードを進める |
| 確認待ちは2営業日以内に見る | 2日を超えたら確認者へ依頼する |
| 保留は次回確認日を必ず入れる | 期限なしの保留を作らない |
| 差し戻しは理由を必ず残す | 同じ修正が繰り返されないようにする |
WIP制限を厳密にシステム化しなくても、チームで見る数字を決めるだけで効果があります。
大事なのは、カードが増えたときに「忙しいですね」で終わらせないことです。
カードが増えている列には、必ず原因があります。
Notionカンバンだけで、すべてを見る必要はありません。
むしろ、ボードビューだけで運用しようとすると、期限や担当者の偏りを見落とします。
同じタスクDBに、次のビューを併設します。
| ビュー | 表示形式 | 目的 |
|---|---|---|
| カンバン | ボード | ステータス別の流れを見る |
| 担当者別 | ボードまたはテーブル | 特定担当者への偏りを見る |
| 期限切れ | テーブル | 期限超過のカードだけを見る |
| 今週期限 | カレンダーまたはテーブル | 今週動かすカードを見る |
| 確認待ち | テーブル | 確認者が見るカードを絞る |
| 保留一覧 | テーブル | 判断待ち、外部待ちを拾う |
Notionのボードビューは、ステータスだけでなく担当者や優先度でもグループ化できます。
ただし、1つのボードで全部を見ようとしない方がよいです。
ステータス別カンバンは、流れを見るためのビューです。
担当者別ビューは、負荷を見るためのビューです。
期限切れビューは、事故を拾うためのビューです。
| 見たいこと | おすすめビュー |
|---|---|
| 今どこで止まっているか | ステータス別カンバン |
| 誰に偏っているか | 担当者別ボード |
| 期限を過ぎているもの | 期限切れテーブル |
| 今週確認すべきもの | 確認待ちテーブル |
| 優先度が高いもの | 優先度別ビュー |
見た目の分かりやすさだけなら、ボードが強いです。
漏れを防ぐなら、テーブルとフィルターが強いです。
この2つを併用すると、Notionカンバンはかなり実務で使いやすくなります。
Notionカンバンで多い失敗は、「レビュー待ち」が見えないことです。
進行中のカードが多いように見えても、実際には担当者の作業ではなく、確認者のレビュー待ちで止まっていることがあります。
この状態を放置すると、担当者の問題なのか、確認者の問題なのか分かりません。
そのため、レビュー待ちを独立した列にします。
| 列 | 誰が動かすか | 次の状態 |
|---|---|---|
| 進行中 | 担当者 | 確認待ち |
| 確認待ち | 確認者 | 完了、または差し戻し |
| 差し戻し | 担当者 | 確認待ち |
| 保留 | 管理者、外部相手 | 進行中、または中止 |
差し戻しには、理由を残します。
理由がない差し戻しは、同じ問題を繰り返します。
最低限、次のプロパティを持たせます。
| プロパティ | 型 | 用途 |
|---|---|---|
| 完了条件 | テキスト | 何を満たせば完了か |
| 確認者 | ユーザー | 誰が完了判定するか |
| 差し戻し理由 | テキスト | なぜ戻したか |
| 次回確認日 | 日付 | 次に確認する日 |
| 関連プロジェクト | リレーション | どの案件に影響するか |
レビュー待ちと差し戻しを分けると、週次会議で見るべきカードが絞られます。
進行中が多いのか。
確認者が詰まっているのか。
差し戻しが多く、完了条件が曖昧なのか。
この切り分けができるだけで、カンバンは「見える化」から「改善」に近づきます。
Notionカンバンは、毎日全員で眺めるだけでは効果が弱いです。
週次会議で、例外から見るようにします。
おすすめの順番は次の通りです。
| 順番 | 見るもの | 決めること |
|---|---|---|
| 1 | 期限切れビュー | 期限変更、担当変更、スコープ調整 |
| 2 | 確認待ち列 | 誰がいつ確認するか |
| 3 | 差し戻し列 | 完了条件や依頼内容を直すか |
| 4 | 保留列 | 解除条件、次回確認日、継続判断 |
| 5 | 進行中列 | WIPが多すぎないか |
| 6 | 今週期限 | 今週必ず進めるカードを絞る |
順調なカードを1件ずつ読む必要はありません。
会議で見るべきなのは、流れていないカードです。
カンバン会議では、全部のカードを報告するより、期限切れ、確認待ち、差し戻し、保留だけを見て、次の移動条件を決める 方が効果があります。
会議で決めたことは、カードに残します。
| 決めること | Notionで残す場所 |
|---|---|
| 期限変更 | 期限プロパティ |
| 担当変更 | 担当者プロパティ |
| 確認予定 | 次回確認日 |
| 差し戻し理由 | 差し戻し理由 |
| スコープ変更 | 関連プロジェクト、議事録 |
| 完了条件の変更 | 完了条件 |
カンバンを見て話すだけではなく、会議中にプロパティを更新します。
更新されないボードは、次の週には信用されなくなります。
カンバンを運用していると、完了列が増え続けます。
完了カードが増えること自体は悪くありません。
ただし、完了列が大きくなりすぎると、ボード全体が見づらくなります。
Notion公式ヘルプでは、完了列が増えてきた場合は列を非表示にし、完了したカードを非表示グループに入れる運用が紹介されています。
実務では、次のように整理します。
| 方法 | 向いている場面 |
|---|---|
| 完了列を非表示にする | ボードを軽く見たい |
| 完了日を入れる | 後から実績を振り返りたい |
| 月別の完了ビューを作る | 月次報告に使いたい |
| プロジェクトごとに完了を集計する | 進捗率や案件報告に使いたい |
完了したカードを消す必要はありません。
ただし、作業中のカードを見る画面に、過去の完了カードを大量に置く必要もありません。
進捗率を使いたい場合は、完了カードをタスクDBに残したまま、ロールアップや数式で集計します。
Notionカンバンは便利ですが、専用ツールの代わりにならない場面があります。
次の状態になったら、Notionだけで粘らない方がよいです。
| 状態 | 検討する移行先 |
|---|---|
| バグ、リリース、開発チケットが中心 | GitHub Issues、Jira、Backlog |
| 顧客対応の期限やSLAがある | ヘルプデスク、CRM、kintone |
| 承認履歴や監査ログが必要 | ワークフロー、kintone |
| 外部パートナーが頻繁に更新する | Trello、Backlog、顧客ポータル |
| 工数、請求、原価と連動する | 案件管理、会計、ERP |
Notionを捨てる必要はありません。
Notionには、案件概要、議事録、決定事項、軽いタスク一覧を残し、厳密なチケット管理や顧客対応は専用ツールへ分ける設計もあります。
カンバンが便利だからといって、すべての業務をボードに押し込む必要はありません。
Notionで扱うべきなのは、チームが同じ画面を見て、次に動かすカードを決められる範囲です。
Notionでカンバンを作るなら、ボードビューを使います。
ただし、カンバン用の別DBを作るのではなく、タスクDBの表示形式としてボードビューを作る方が安全です。
列は、未着手、進行中、確認待ち、差し戻し、保留、完了くらいに絞ります。
特に、確認待ちと差し戻しは分けます。ここを分けないと、誰が止めているのか分かりません。
進行中や確認待ちのカード数を見れば、WIPや滞留を把握できます。
ボードだけで足りないところは、担当者別ビュー、期限切れビュー、確認待ちビュー、保留一覧で補います。
週次会議では、全部のカードを読むのではなく、期限切れ、確認待ち、差し戻し、保留だけを見て、次の移動条件を決めます。
Notionカンバンの目的は、カードをきれいに並べることではありません。
止まっている仕事を早く見つけ、誰がいつ次の状態へ動かすかを決めることです。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。