kintone業務設計研究所 > kintoneポータルカスタマイズの設計方法|社内業務の入口を整える
2026年6月12日
•約17分で読めます
kintoneポータルをカスタマイズするときに、部署別メニュー、タスク一覧、重要アプリ、申請、お知らせ、社内リンク、権限別表示、モバイル対応、全体JavaScript/CSS、保守担当をどう設計するか整理します。
kintoneのポータルをカスタマイズして、社内の入口を使いやすくしたいです。デザインを整えれば十分でしょうか。
見た目は大事ですが、先に決めるべきなのは、誰がポータルで何を確認し、どのアプリへ進むかです。ポータルは飾る画面ではなく、社内業務の入口として設計します。
kintoneを使うアプリが増えると、最初に詰まりやすいのがポータルです。
アプリが多すぎて探せない。
部署ごとに見るべきアプリが違う。
未対応タスクや承認待ちがどこにあるか分からない。
社内リンク、マニュアル、スケジュール、申請導線がばらばらに置かれている。
お知らせは出ているが、業務上の次アクションに結びつかない。
スマートフォンで見ると、導線が長くて使いにくい。
この状態でポータルを「きれいにする」だけでは、問題は残ります。
よくある失敗は次の通りです。
ポータルは、ログイン後に最初に見る画面です。
だからこそ、最初に見せるべきなのは「会社の情報すべて」ではありません。
その人が今日見るべき業務、対応すべきタスク、使うべきアプリ、確認すべきお知らせです。
kintoneポータルカスタマイズで最初に決めるべきなのは、デザインではなく、部署別に誰が何を見て、どの業務へ入るかです。
この記事では、kintoneポータルカスタマイズを、見た目の変更ではなく、社内業務の入口を整える設計として整理します。
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kintoneポータルは、単なるアプリ一覧ではありません。
社内の業務入口です。
ポータルに何を置くかで、社員の動き方が変わります。
| ポータルに置くもの | 目的 |
|---|---|
| 重要アプリ | よく使う業務へ迷わず入る |
| 未対応タスク | 今日対応すべき仕事を見つける |
| 申請・承認 | ワークフローを開始・確認する |
| お知らせ | 会社や部署からの重要情報を確認する |
| 社内リンク | 規程、マニュアル、外部システムへ移動する |
| 部署別メニュー | 自分の業務に関係する導線だけ見る |
| 集計サマリー | 期限超過、未対応、件数の変化を確認する |
kintone公式ヘルプでは、ポータルの初期表示として、お知らせ、通知、未処理、スペース、アプリが表示されると説明されています。
標準ポータルでも、表示するコンテンツの選択やカバー画像の設定はできます。
ただし、各エリアの表示位置を変えたり、ユーザーごとにポータル設定を変えたりはできません。
そのため、部署別の導線や独自のタスク表示を作る場合は、JavaScript/CSSやプラグイン、制作サービスを検討します。
ここで注意すべきなのは、ポータルを全部入りの画面にしないことです。
すべてのアプリ、すべてのリンク、すべてのお知らせを置くと、結局探す画面になります。
ポータルは、探す場所ではなく、次に動く場所として設計します。
ポータルカスタマイズでは、部署別に必要な導線を洗い出します。
営業、経理、管理部、現場、開発、役員では、朝いちばんに見るべきものが違います。
| 部署・役割 | 見たいもの | 入りたい業務 |
|---|---|---|
| 営業 | 本日の商談、未対応顧客、見積承認待ち | 顧客管理、案件管理、見積、日報 |
| 経理 | 請求予定、入金確認、承認待ち | 請求管理、支払申請、会計連携 |
| 管理部 | 社内申請、備品、入退社、規程 | ワークフロー、社内手続き、マニュアル |
| 現場 | 本日の作業、未完了報告、写真登録 | 作業日報、点検、在庫、トラブル報告 |
| マネージャー | 期限超過、未対応、承認待ち | タスク一覧、承認、レポート |
| 役員 | 重要指標、滞留、リスク | ダッシュボード、重要案件、稟議 |
全員に同じポータルを見せる場合でも、部署ごとの導線を固めることはできます。
たとえば、上部に全社共通のお知らせを置く。
中央に部署別メニューを置く。
下部に社内リンクやマニュアルを置く。
ログインユーザーの組織やグループを見て表示を変える場合は、JavaScriptでの制御やAPI利用を検討します。
ただし、表示を変えることと権限を守ることは別です。
見せたくないデータは、アプリやレコードのアクセス権で守ります。
ポータルでリンクを非表示にするだけでは、権限制御にはなりません。
部署別ポータルは、リンクを部署ごとに並べるだけでは足りません。部署ごとの未対応、承認待ち、期限超過を見せる設計にします。
ポータルに置く要素は、役割で分けます。
| 要素 | 置く目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| アプリ一覧 | よく使う業務アプリへ入る | 全アプリを並べない |
| 未対応タスク | 自分が処理すべき仕事を見る | 担当者、期限、ステータスを明確にする |
| 申請・承認 | ワークフローの開始と承認待ち確認 | 申請種別と承認待ちを分ける |
| お知らせ | 全社・部署の重要情報を出す | 古いお知らせを残し続けない |
| 社内リンク | 規程、マニュアル、外部システムへ行く | リンク切れと管理者を持つ |
| 集計サマリー | 件数や異常値を見て判断する | 詳細アプリへの導線を付ける |
たとえば、営業向けポータルなら、次の順番が自然です。
管理部向けなら、次のようになります。
このように、ポータルの配置は、見た目の好みではなく、業務の優先順位で決めます。
「よく使うアプリ」を上に置くのか。
「今日やるべきタスク」を上に置くのか。
「全社お知らせ」を最初に見せるのか。
この判断が、ポータルの使いやすさを決めます。
ポータルカスタマイズでは、デザイン変更と業務導線改善を分けて考えます。
| 目的 | 内容 | 失敗しやすい点 |
|---|---|---|
| デザイン変更 | 色、余白、アイコン、カード、見出し | きれいだが業務に入れない |
| 業務導線改善 | 部署別メニュー、未対応、承認待ち、リンク | 見た目は地味でも仕事が進む |
| 情報整理 | 古いリンク、使わないアプリ、お知らせの整理 | 管理者が決まっていないと散らかる |
| 判断支援 | 期限超過、件数、重要タスクの表示 | 数字の意味が決まっていないと見ない |
こだわりkintoneのサービスページでは、スケジュール、ワークフロー申請、社内システム、お知らせなどをkintoneポータルへ集約する考え方が紹介されています。
このようなデザインサービスやプラグインは、ポータルを整える手段として有効です。
ただし、どの部署に何を見せるか、誰がリンクを更新するか、未対応タスクの定義は何か、という設計は自社側で決める必要があります。
見た目を整える前に、ポータルに置く情報を棚卸しします。
この分類をしないままカードやアイコンを増やすと、見た目は整っても、使われないポータルになります。
kintoneポータルを変える方法は複数あります。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 標準ポータル設定 | 表示する標準エリアを選ぶ、カバー画像を変える | 配置やユーザー別表示には限界がある |
| JavaScript/CSS | 独自メニュー、タスク表示、リンク表示、API取得 | 保守担当、読み込み順、モバイル確認が必要 |
| プラグイン | テンプレート化、ガジェット表示、簡易編集 | 製品の対応範囲と終了時の扱いを確認する |
| 制作サービス | デザイン、設計、実装をまとめて依頼する | 業務導線の要件を自社で説明できるようにする |
| ポータル運用アプリ | リンクやメニューをアプリで管理する | 表示ロジックと権限の整理が必要 |
kintone公式ヘルプでは、kintone全体のカスタマイズはkintoneシステム管理画面からJavaScript/CSSファイルを適用し、トップページのポータルやスペースのポータルをカスタマイズする場合も同様だと説明されています。
kintoneヘルプ:JavaScriptやCSSを使用したkintone全体のカスタマイズ
また、適用範囲として「すべてのユーザー」「kintoneのシステム管理者だけ」「適用しない」を選べること、すべてのユーザーに適用する前に管理者だけで確認すること、ゲストユーザーには適用されないことも案内されています。
さらに、kintone公式ヘルプでは、Kintone Portal Designerが2025年5月12日に開発終了したことも明記されています。
過去の記事や社内資料がKintone Portal Designer前提になっている場合は、そのまま使い続けるのではなく、現在の運用と保守リスクを確認します。
cybozu developer networkでは、ポータル画面表示後のイベントとして、PCのportal.show、モバイルのmobile.portal.showが説明されています。
cybozu developer network:ポータル画面を表示した後のイベント
このイベントを使うと、ポータルに独自のコンテンツを追加できます。
ただし、イベントは表示対象のウィジェット描画後に発生し、ゲストユーザーのポータル画面では発生しないなどの補足があります。
ポータルをカスタマイズするなら、こうした制約を踏まえて設計します。
kintoneポータルのJavaScript/CSSは、全体に効く変更です。アプリ個別カスタマイズより影響範囲が広い前提で、検証と戻し手順を用意します。
ポータルは全社員が見る可能性があるため、権限設計が重要です。
| 論点 | 設計すること |
|---|---|
| 部署別表示 | 組織、グループ、役割で表示メニューを分けるか |
| 権限 | リンク非表示とアプリ権限を混同しない |
| 社外ユーザー | ゲストユーザーに見せる範囲を別に考える |
| 管理者表示 | 管理者向けリンクや設定導線を分ける |
| 個人タスク | ログインユーザーを基準に未対応を出すか |
| 共有端末 | ログインユーザーが変わる前提で確認する |
ポータルでリンクを隠しても、アプリのアクセス権が広ければデータは見えます。
逆に、ポータルにリンクを出しても、アプリ権限がなければ開けません。
そのため、ポータルの表示制御とアプリのアクセス権を別々に確認します。
モバイルも同じです。
現場や外出先でポータルを使うなら、スマートフォンで本当に必要な導線だけに絞ります。
PC向けの大きなカード、横並びの一覧、複雑な集計は、スマートフォンでは読みづらくなります。
モバイル向けには、次のような構成が実務向きです。
Ribbitの記事では、portal.showイベントでタスク一覧や集計サマリーを表示する実践例が紹介され、API呼び出しが増えると表示速度に影響するため取得フィールドを絞る考え方も説明されています。
Ribbit:kintoneのポータル画面をJavaScript・CSSでカスタマイズする方法
ポータルは最初に開く画面なので、表示が重いと毎日の利用に響きます。
必要な情報を絞り、詳細は各アプリへ遷移させます。
ポータルカスタマイズは、作った後の保守が重要です。
保守対象は、JavaScriptやCSSだけではありません。
| 保守対象 | 管理すること |
|---|---|
| メニュー | 追加、削除、部署変更、リンク切れ |
| 重要アプリ | アプリ名変更、アプリ統廃合、権限変更 |
| タスク表示 | 対象アプリ、ステータス、期限、担当者 |
| お知らせ | 掲載期限、管理者、古い情報の削除 |
| 社内リンク | URL、管理部署、利用対象 |
| JavaScript/CSS | ファイル、読み込み順、変更履歴 |
| プラグイン | バージョン、提供元、解約時の扱い |
| モバイル表示 | 画面崩れ、操作性、表示速度 |
ポータルのリンクやメニューをJavaScriptに直接書き込むと、変更のたびに開発者が必要になります。
頻繁に変わるものは、ポータル管理用のkintoneアプリで持たせる方法もあります。
たとえば、ポータルメニュー管理アプリを作り、次の項目を持たせます。
| 項目 | 目的 |
|---|---|
| 表示名 | ポータルに出す名称 |
| リンク先URL | アプリ、外部システム、マニュアル |
| 表示部署 | 営業、経理、管理部など |
| 表示順 | 並び順 |
| 有効/無効 | 一時的に非表示にする |
| 管理者 | リンクの責任者 |
| 更新日 | 古いリンクを見つける |
このように、変わる情報をデータとして持つと、保守担当が開発者だけに偏りにくくなります。
一方で、表示ロジックや権限制御は慎重に設計します。
「誰でもメニューを変えられる」状態にすると、ポータルがまた散らかります。
変更申請、レビュー、公開日、戻し手順を決めます。
kintoneポータルカスタマイズでは、次の失敗が起きやすいです。
色やカードを決める前に、部署別の業務導線を決めます。
何を上に置くかは、デザインではなく業務の優先順位で決まります。
全社員向けの導線と、部署別の導線は分けます。
全員に同じ情報を出すと、必要なものが埋もれます。
未対応、期限超過、承認待ち、差し戻しなど、何をタスクとして出すかを決めます。
アプリごとにステータス名が違う場合は、ポータルに出す条件を統一します。
ポータルは詳細画面ではありません。
件数、期限、重要度、リンクだけを出し、詳細は各アプリへ遷移させます。
現場利用があるのにPCだけで作ると、スマートフォンで使われません。
モバイルでは、上位数件のタスクと主要リンクに絞ります。
リンクが変わるたびにコード修正が必要になります。
頻繁に変わるリンクは、管理アプリや設定データとして持たせます。
古い社内手順や過去のテンプレートに依存している場合、現在の公式情報を確認します。
開発終了したツールを使い続けるなら、移行方針と保守リスクを明示します。
kintoneポータルカスタマイズを始める前に、次の項目を確認します。
| 確認項目 | 判断すること |
|---|---|
| 目的 | アプリを探しやすくするのか、未対応を見せるのか |
| 対象部署 | 全社共通か、部署別か、役職別か |
| 主要アプリ | 本当に毎日使うアプリだけに絞れているか |
| タスク定義 | 未対応、期限超過、承認待ちの条件が決まっているか |
| お知らせ | 掲載期限、管理者、更新ルールがあるか |
| 社内リンク | 規程、マニュアル、外部システムの責任者がいるか |
| 権限 | 表示制御とアプリ権限を分けて確認したか |
| モバイル | スマートフォンで必要な導線だけに絞ったか |
| 実装方法 | 標準設定、JavaScript/CSS、プラグイン、制作サービスのどれか |
| 保守 | メニュー変更、リンク切れ、ファイル更新を誰が行うか |
| 検証 | 管理者だけに適用して確認する手順があるか |
| 戻し方 | 表示崩れや障害時に元へ戻せるか |
この表が埋まると、ポータルをどこまで作り込むべきか見えてきます。
部署別メニューだけで足りるのか。
未対応タスクを表示すべきか。
申請や承認の導線を上に置くべきか。
JavaScript/CSSで作るべきか、プラグインや制作サービスを使うべきか。
判断しやすくなります。
Bitlightでは、kintoneポータルカスタマイズを、見た目の変更ではなく、社内業務の入口設計として整理します。
相談できる内容は次の通りです。
ポータルは、kintoneを開いた人が最初に触る画面です。
ここが散らかっていると、どれだけ各アプリを作り込んでも、社員は迷います。
kintoneポータルカスタマイズは、見た目を変える作業ではなく、社内の人が今日見るべき業務へ最短で入るための入口設計です。
部署別に見るものを分ける。
未対応、承認待ち、期限超過を見えるようにする。
詳細は各アプリへ戻す。
保守担当と更新ルールを決める。
この順番で設計すれば、ポータルはリンク集ではなく、社内業務を動かす入口になります。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。