kintone業務設計研究所 > kintoneの競合ツール比較|Power Platform・Airtable・Pleasanterとの使い分け
2026年6月12日
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kintoneの競合や代替候補を、Power Platform、Airtable、Pleasanter、Salesforceと比較し、現場内製、Microsoft 365連携、CRM、OSS/オンプレ、業務DBの観点で使い分ける方法を整理します。
kintoneの競合ツールを比較したいです。Power Platform、Airtable、Pleasanter、Salesforceなどと比べると、どれを選べばよいのでしょうか。
ツール名だけで比較すると判断を誤ります。kintoneを選ぶかどうかは、業務DBの正本をどこに置き、誰が項目・権限・連携を保守するかで決めます。
kintoneの競合として、Power Platform、Airtable、Pleasanter、Salesforce、AppSheet、Notion、Googleスプレッドシートなどが挙がることがあります。
ただし、名前を並べても選定は進みません。
これらは同じ「業務アプリを作る道具」に見えて、前提が違います。
kintoneは、現場の業務台帳をアプリ化し、一覧、コメント、通知、権限、プロセス管理を組み合わせて育てる使い方に向いています。
Power Platformは、Microsoft 365、Dataverse、SharePoint、Teams、Power Automateを中心に、社内基盤とつなげて使う場面で強くなります。
Airtableは、表の使いやすさとビューの切り替えを活かし、企画、制作、プロジェクト、軽い業務データの共有に向きます。
Pleasanterは、OSSやオンプレを重視し、自社管理のもとで業務DBを持ちたい場合に候補になります。
Salesforceは、顧客、商談、活動、売上見込みなど、営業CRMを会社の中心に置く場合に検討します。
つまり、kintoneの競合比較で見るべきなのは、機能数や知名度ではありません。
その業務の正本をどこに置くか。
誰が変更できる状態にするか。
既存のMicrosoft 365、CRM、会計、チャット、基幹システムとどうつなぐか。
社内だけで保守するのか、外部支援を前提にするのか。
ここを決めないまま「kintoneとどちらがよいか」と比べると、答えは曖昧になります。
kintoneの競合比較は、勝ち負けではなく「どの業務データを、どのツールの正本にし、誰が保守するか」を決める作業です。
この記事では、kintone、Power Platform、Airtable、Pleasanter、Salesforceを、現場内製、Microsoft 365連携、CRM、OSS/オンプレ、業務DBの観点で使い分けます。
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kintoneは、完成された専用システムを一度に置き換える道具というより、現場で変わり続ける業務DBを作り、使いながら直していく道具です。
たとえば、次のような業務です。
サイボウズの基本機能ページでも、kintoneはアプリにデータを登録し、一覧、グラフ、コメント、プロセス管理、アクセス権、アプリ同士の連携などを組み合わせて使うことが説明されています。
この特徴は、現場で入力項目や確認手順が変わる業務と相性がよいです。
ただし、kintoneが向くからといって、会社の業務データをすべてkintoneへ寄せればよいわけではありません。
営業CRMをSalesforceに置く会社もあります。
Microsoft 365を中心に社内運用が組まれている会社もあります。
OSSやオンプレが必須の会社もあります。
企画チームだけが軽く使うならAirtableで十分な場合もあります。
判断は次のように分けます。
| ツール | 向く業務 | 強い連携先 | 運用体制 | 注意すること |
|---|---|---|---|---|
| kintone | 部門横断の業務台帳、申請、案件、問い合わせ | 会計、チャット、外部フォーム、他SaaS | 現場管理者と業務責任者で育てる | 正本、権限、アプリ分割を先に決める |
| Power Platform | Microsoft 365上の入力画面、承認、通知、部門アプリ | Dataverse、SharePoint、Teams、Power Automate | Microsoft 365管理者と業務部門で管理 | ライセンス、環境、データ所在を確認する |
| Airtable | 企画、制作、プロジェクト、軽い台帳 | Slack、Google Drive、外部フォーム、各種SaaS | チーム単位で速く作る | 全社基幹データの正本にする前に管理ルールが必要 |
| Pleasanter | OSS/オンプレ前提の業務DB、社内システム寄りの台帳 | 自社サーバー、既存DB、社内認証 | 情シスや開発者が保守する | サーバー、更新、バックアップの責任を持つ |
| Salesforce | 営業CRM、商談、活動履歴、パイプライン | MA、CS、基幹、請求、データ基盤 | 営業企画やCRM管理者が標準プロセスを持つ | 営業以外の周辺業務まで詰め込みすぎない |
この表で重要なのは、「どのツールが高機能か」ではありません。
どの業務なら、社内で説明できる運用になるかです。
ツール比較の前に、正本データを決めます。
正本とは、その業務で最終的に正しいとみなすデータの置き場所です。
顧客情報の正本。
案件情報の正本。
商談情報の正本。
申請情報の正本。
作業履歴の正本。
契約情報の正本。
請求情報の正本。
これを決めないと、どのツールを選んでも二重管理になります。
たとえば、営業活動はSalesforce、契約後の作業管理はkintone、請求は会計ソフト、社内通知はTeamsという構成はあり得ます。
この場合、kintoneはSalesforceの代わりではありません。
契約後に発生する作業、社内確認、顧客別の対応履歴、請求前の確認などを持つ業務DBです。
逆に、営業CRMをまだ導入しておらず、案件数も複雑ではないなら、kintoneで案件管理から始める判断もあります。
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正本を決めると、比較軸も自然に決まります。
| 決めること | 見るべき軸 |
|---|---|
| 顧客の正本 | CRMに置くか、業務台帳に置くか |
| 案件の正本 | 営業管理か、社内作業管理か |
| 申請の正本 | 承認基盤か、業務アプリか |
| 履歴の正本 | 顧客接点か、作業記録か |
| マスタの正本 | 基幹、CRM、kintone、Dataverseのどれか |
| 連携の方向 | 片方向参照か、双方向更新か |
正本を決めずにツールを選ぶと、あとから「同じ顧客が複数の場所にいる」「どちらの案件状態が正しいか分からない」という問題になります。
kintoneが向くのは、現場が業務を理解しており、項目や一覧を変えながら使いたいケースです。
特に、次の条件がある場合は候補に入ります。
| 条件 | kintoneが向く理由 |
|---|---|
| Excel台帳が部署をまたいで使われている | 1件単位のレコード、一覧、権限に分けやすい |
| 案件や問い合わせの状態を追いたい | ステータス、担当者、コメント、通知を持てる |
| 軽い申請や確認フローがある | プロセス管理で申請、確認、差し戻しを表せる |
| 社内担当者が後から直したい | フィールド、一覧、通知を現場で変更しやすい |
| 外部システムと部分的につなぎたい | API、Webhook、連携サービスを使える |
kintoneは、業務の曖昧さを残したままでも作り始められます。
ここが強みでもあり、危ない点でもあります。
最初に、1レコードの意味、入力者、確認者、権限、通知、アプリ分割を決める必要があります。
この設計があるなら、kintoneは現場の業務DBとして使いやすいです。
この設計がないなら、アプリが増え、項目が増え、誰が管理するのか分からない状態になります。
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Power Platformは、Microsoft 365を社内基盤として使っている会社で強くなります。
Microsoft Learnでは、Power Appsを、アプリ、サービス、コネクタ、データプラットフォームを含むスイートとして説明し、Dataverse、SharePoint、Microsoft 365、Dynamics 365、SQL Serverなどのデータと接続できることが示されています。
Microsoft Learn:What is Power Apps?
Power Platformを検討しやすいのは、次のようなケースです。
| 条件 | Power Platformが向く理由 |
|---|---|
| Teams、SharePoint、Outlookが日常業務の中心 | 利用者がMicrosoft 365上で動きやすい |
| 承認や通知をPower Automateで組みたい | Microsoft 365内のイベントとつなげやすい |
| Dataverseを社内データ基盤として使う | 環境、権限、テーブル設計を統制しやすい |
| Dynamics 365と近い領域を扱う | 顧客、商談、業務データをMicrosoft側に寄せやすい |
| 情シスがMicrosoft 365管理に慣れている | 環境管理や権限管理を既存体制に乗せやすい |
一方で、Power Platformは「Microsoft 365を使っているから自動的に最適」とは限りません。
環境、ライセンス、Dataverseを使うかどうか、SharePointリストで足りるか、誰がフローを保守するかを決める必要があります。
Microsoft 365連携が中心ならPower Platformは有力です。ただし、環境管理、ライセンス、Dataverse、フロー保守まで説明できる体制が必要です。
kintoneとの違いは、現場の業務台帳として始めるか、Microsoft 365の社内基盤上で業務アプリを組むかです。
会社全体がTeams、SharePoint、Power Automateで回っているなら、Power Platformの方が自然な場合があります。
反対に、Microsoft 365の運用がまだ弱く、現場がアプリを育てたいなら、kintoneの方が始めやすいことがあります。
Airtableは、表のように扱える柔らかさと、ビューの切り替えのしやすさが強みです。
Airtableの公式ヘルプでは、Base、Table、Field、Record、Viewなどの基本概念が説明され、ビューで同じ情報を別の角度から見られることが示されています。
Airtable Support:Getting started with Airtable
Airtableが向くのは、次のようなケースです。
| 条件 | Airtableが向く理由 |
|---|---|
| 企画、制作、マーケ、イベントなどのプロジェクトを扱う | 表、カンバン、カレンダーなどで見方を変えやすい |
| 少人数チームで早く作りたい | Baseを作ってすぐ共有しやすい |
| 外部パートナーと軽く共有したい | ビューやフォームで入口を作りやすい |
| レポートより進行管理が中心 | 状態、担当、期限をチームで見やすい |
| まだ正式な業務システムにする前段階 | 試しながら項目を変えやすい |
kintoneとの違いは、業務システムとしての運用責任をどこまで持たせるかです。
Airtableは、チーム単位で柔らかく使うには便利です。
一方で、部門をまたぐ正式な台帳、細かい権限、監査、外部システム連携、長期保守まで含めるなら、管理ルールを先に作る必要があります。
Airtableは軽く始める業務共有に向きますが、全社の正本DBにするなら、権限、命名、変更履歴、連携責任を別途設計する必要があります。
kintoneは、業務DBとしての正本、一覧、通知、権限、プロセス管理を含めて設計しやすいです。
そのため、最初はAirtableで企画し、正式運用になったらkintoneやCRMへ移す構成もあります。
逆に、チーム内で完結し、正式な承認や外部連携が少ないなら、Airtableを残す判断もあります。
Pleasanterは、OSSのローコード開発プラットフォームとして提供されており、オンプレや自社管理を重視する会社で候補になります。
公式マニュアルでは、テーブルの管理、組織管理、グループ管理、ユーザー管理、バックアップ、リストア、開発者向け機能などが案内されています。
Pleasanterが向くのは、次のようなケースです。
| 条件 | Pleasanterが向く理由 |
|---|---|
| オンプレ前提で業務DBを持ちたい | 自社環境で管理しやすい |
| OSSを前提に検討したい | ライセンスや運用方針を社内で管理しやすい |
| 情シスや開発者が保守できる | サーバー、更新、バックアップを持てる |
| 既存の社内システムと近い場所に置きたい | ネットワークや認証の設計を自社寄りにできる |
| クラウドSaaSに載せづらい業務がある | セキュリティやデータ所在の要件を見やすい |
kintoneとの違いは、クラウドSaaSとして現場に渡すか、自社管理の業務DBとして持つかです。
Pleasanterを選ぶ場合、サーバー、バージョンアップ、バックアップ、障害対応、権限、連携、開発者の引き継ぎまで社内で説明する必要があります。
これは強みにもなります。
外部SaaSの制約を避け、自社の運用に合わせられるからです。
ただし、保守できる人がいないのにOSSやオンプレを選ぶと、変更や障害対応が重くなります。
Salesforceは、営業CRMを会社の中心に置く場合に候補になります。
SalesforceのSales Cloudページでは、営業組織に必要な情報を統合したプラットフォームとして説明されています。
Salesforceが向くのは、次のようなケースです。
| 条件 | Salesforceが向く理由 |
|---|---|
| 顧客、リード、商談、活動を営業標準として管理したい | CRMの業務モデルに乗せやすい |
| 営業プロセスを全社で統一したい | フェーズ、活動、見込み、レポートを揃えやすい |
| MA、CS、請求、データ基盤とつなぎたい | 顧客接点を中心に拡張しやすい |
| 営業企画やCRM管理者がいる | 標準化と保守の責任者を置きやすい |
| 組織規模が大きく、営業管理の粒度が高い | 権限、レポート、パイプライン管理を作り込みやすい |
kintoneとSalesforceは、どちらか一方だけで考えない方がよいケースがあります。
営業CRMはSalesforce。
契約後の作業管理はkintone。
請求や入金は会計ソフト。
社内通知はTeamsやSlack。
このように分けると、Salesforceに営業以外の業務を抱え込ませず、kintoneにもCRMの深い営業管理を無理に持たせずに済みます。
ポイントは、連携です。
顧客ID、案件ID、契約番号、ステータス、更新方向、エラー時の扱いを決めます。
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kintoneと他ツールは、併用することも多いです。
ただし、併用で失敗しやすいのは、同じデータを複数の場所で編集できるようにすることです。
たとえば、顧客名をkintoneでもSalesforceでも編集できる。
案件金額をkintoneでもSalesforceでも更新できる。
申請状態をkintoneでもPower Automate側でも持つ。
こうなると、どちらが正しいか分からなくなります。
併用するなら、入力場所と確認場所を分けます。
| データ | 入力場所の例 | 確認場所の例 |
|---|---|---|
| 顧客情報 | Salesforceまたはkintoneの顧客マスタ | kintoneの案件、問い合わせ、作業管理 |
| 営業商談 | Salesforce | kintoneの契約後タスク |
| 社内申請 | kintoneまたはPower Platform | Teams通知、承認一覧 |
| 作業履歴 | kintone | Salesforceの顧客画面、BI、週次報告 |
| 請求情報 | 会計ソフト | kintoneの請求前確認 |
| プロジェクト進行 | Airtableまたはkintone | チーム別ビュー、管理者一覧 |
複数ツールを併用する場合は、同じデータを二重に編集できる状態を避けます。入力場所、参照場所、更新方向を先に決めます。
この整理をしないまま連携すると、便利になる前に運用が崩れます。
連携ツールやAPIを選ぶ前に、業務上の責任を決めます。
誰が登録するか。
誰が承認するか。
どの時点で外部システムへ渡すか。
エラーが出たら誰が直すか。
過去データを修正するか。
これが決まっていれば、kintoneと他ツールの併用は現実的になります。
ツール選定を急がない方がよいケースもあります。
特に、次の状態なら、先に業務整理をした方がよいです。
| 状態 | 先にやること |
|---|---|
| Excelやスプレッドシートが複数あり、どれが正しいか分からない | 正本ファイル、列の意味、更新者を整理する |
| 顧客、案件、契約、請求の関係が曖昧 | データモデルを描く |
| 承認者や確認者が業務ごとに違う | ステータスと責任者を表にする |
| Microsoft 365、CRM、会計ソフトが既にある | 既存システムを残す範囲を決める |
| 社内で保守する人が決まっていない | 管理者、変更申請、棚卸しのルールを決める |
| 「全部を1つにまとめたい」と考えている | 正本、参照、履歴、帳票を分ける |
ツール比較は、業務整理の後でよいです。
むしろ、業務整理ができていれば、選定は短くなります。
現場内製を重視するならkintone。
Microsoft 365連携を重視するならPower Platform。
チーム内の軽い業務共有ならAirtable。
OSS/オンプレを重視するならPleasanter。
営業CRMを中心にするならSalesforce。
こうして候補を分けられるからです。
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Bitlightでは、kintoneを単体のアプリ作成ツールとしてではなく、他ツールと並べた業務システム構成として設計できます。
相談できる内容は次の通りです。
kintoneを選ぶべきかどうかは、単独では決まりません。
既にあるシステム、社内の保守体制、現場が変えたい範囲、営業CRMの成熟度、Microsoft 365の使われ方によって変わります。
大事なのは、最初から1つのツールに全部を任せないことです。
業務DB、CRM、会計、承認、通知、帳票、分析を分ける。
その上で、kintoneに任せる範囲を決める。
この順番にすると、kintoneの競合比較は、単なるツール選びではなく、使い続けられる業務設計になります。
kintoneを選ぶか、他ツールを選ぶかより先に、業務DB、CRM、会計、通知、承認の責任分界を決めることが重要です。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。