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kintone売上管理の設計方法|案件・請求・入金・予実をつなぐ構成

2026年6月9日

23分で読めます

kintoneで売上管理を作る前に決めるべき、案件見込み、受注、売上計上、請求、入金、商品マスタ、目標、予実、freee・会計ソフト連携の境界を整理します。

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売上管理
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予実管理
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助手
助手

kintoneで売上管理を作りたいです。顧客名、売上金額、売上月、担当者を入れてグラフ化すればよいでしょうか。

博士
博士

売上の見える化だけなら始められる。ただし、売上管理は数字を足すだけではない。案件見込み、受注、売上計上、請求、入金、予算を混ぜると、営業会議にも経理確認にも使いづらくなる。

kintoneで売上管理を作るとき、最初に作りたくなるのは売上一覧です。

顧客名、担当者、売上金額、売上月、商品、部門、メモ。

これをアプリに入れて、月別や担当者別にグラフを作れば、売上管理らしい画面はできます。

ただし、実務で使う売上管理にするなら、売上一覧だけでは足りません。

売上管理で本当に困るのは、グラフが作れないことではなく、次のような状態です。

  • 案件の見込み金額と、受注後の売上実績が同じ項目に入っている
  • 売上計上日、請求日、入金日が混ざっている
  • 請求済みか、入金済みか、会計ソフトに登録済みか分からない
  • 顧客名や商品名が自由入力で、集計軸がぶれる
  • 月別売上は見えるが、未請求や未入金が見えない
  • 目標や予算と比較できず、経営判断に使えない
  • freeeなどの会計ソフトと、どちらを正本にするか決まっていない
  • 経理が見ている売上と、営業が見ている売上が一致しない

kintoneで売上管理を作るなら、最初に設計すべきなのは「売上グラフ」ではありません。

案件見込み、受注、売上計上、請求、入金、目標、予実、会計連携を、どこで区切るかです。

kintone売上管理で最初に決めるべきなのは、どのグラフを作るかではなく、「売上に関係する数字のうち、どれをkintoneの正本にするか」です。

この記事では、kintoneで売上管理を崩れにくい業務システムとして設計する方法を整理します。

kintone案件管理の設計方法はこちら
kintone顧客管理の設計方法はこちら

案件、受注、売上実績、請求予定、目標、予実、freee・会計連携を分けるkintone売上管理の構成図

先に結論:売上管理は「見込み」「計上」「請求」「入金」を分ける

kintoneで売上管理を作るとき、売上アプリ1つだけでも始めることはできます。

ただし、経営判断や請求確認に使うなら、最初から次の情報を分けて考えます。

分けるもの 1レコードの意味 役割
案件見込み 1商談の売上見込み 受注前の金額、確度、予定月を見る
受注 1契約、1注文、1申込 売上計上や請求へ進めてよい条件を示す
売上実績 1つの計上単位 売上計上日、金額、部門、商品を持つ
請求予定 1回の請求対象 締め、請求日、請求先、請求書番号を扱う
入金確認 1回の入金・消込 入金日、入金額、未入金、差額を確認する
商品・サービスマスタ 1商品、1サービス 単価、区分、原価、売上分類を統一する
目標・予算 1月、1担当、1部門の目標 実績や見込みと比較する
連携ログ 1回の外部連携 会計ソフトへの登録、エラー、再実行を追う

このうち、すべてをkintoneの正本にする必要はありません。

むしろ、請求、売掛、入金、仕訳は会計ソフトや販売管理システムを正本にした方がよいケースが多いです。

kintoneは、営業・管理側の見込み、受注前後の確認、請求予定の整理、予実ダッシュボードに向いています。

会計ソフトは、請求書、売掛金、入金消込、仕訳、税区分、帳簿に向いています。

領域 kintoneで持ちやすい 会計ソフトを正本にしやすい
案件見込み 金額、確度、予定月、担当 原則持たない
受注 契約条件、開始日、請求対象 必要に応じて参照
売上実績 経営管理用の計上台帳 会計上の正式な取引
請求 請求予定、請求前チェック 請求書発行、送付、控え
入金 入金予定、未入金確認 入金消込、売掛金管理
予実 目標、見込み、実績の比較 会計レポートと照合

売上管理で重要なのは、数字を一元化することではありません。

数字の意味を分けることです。

見込み売上、受注売上、計上売上、請求済み売上、入金済み売上は、すべて違う数字です。

ここを分けずに「売上」とだけ呼ぶと、営業会議と経理確認で話がずれます。

kintone売上管理が向く業務と向かない業務

kintoneは、売上管理に使えます。

サイボウズ公式の売上管理用途ページでも、案件や顧客情報から売上データまでをつなげて一元管理し、グラフ化や売上予測、チーム連携に使う例が紹介されています。

kintone公式:売上管理にkintone

ただし、kintoneを会計ソフトの代わりにするのは別問題です。

向いているのは、営業・管理側で売上を把握し、次の行動に使う業務です。

kintoneに向く売上管理 理由
案件見込みの集計 担当、確度、予定月、商品別に見込みを見られる
受注後の売上計上予定 いつ、どの部門に、いくら売上として見るかを整理できる
請求前チェック 請求対象、金額、宛先、条件を営業・経理で確認できる
未請求・未入金の確認 会計ソフトから戻した状態を一覧化できる
担当別・部門別の予実管理 目標、見込み、実績の差分を見られる
経営会議用のダッシュボード 売上、粗利、未達、重点案件をまとめられる

一方で、次の領域はkintoneだけで完結させない方がよいです。

kintoneだけでは重い領域 理由
請求書の正式発行 インボイス、帳票控え、送付履歴、番号管理が必要
売掛金管理 入金消込、残高、滞留債権は会計ソフトが向く
税区分・仕訳 会計処理の正確性と税務確認が必要
入金消込 銀行明細、差額、手数料、複数請求の消込が絡む
決算・帳簿 会計ソフト、税理士、経理責任者の確認領域

kintone売上管理は、会計を置き換えるためではなく、営業・管理・経理の間にある「確認すべき売上情報」を整理するために使うと強いです。

売上管理で混ぜてはいけないデータ

売上管理で最初に分けるべきなのは、日付です。

売上に関係する日付は、1つではありません。

日付 意味
受注日 契約や注文が確定した日
売上計上日 売上実績として扱う日
請求日 請求書を発行する日
入金期日 取引先から入金される予定日
入金日 実際に入金された日
会計登録日 会計ソフトに取引として登録した日

この日付を混ぜると、月別売上がずれます。

たとえば、5月に納品して、6月1日に請求書を発行し、6月末に入金されたとします。

営業会議では5月売上として見たいかもしれません。

経理では請求日や入金日で確認したいかもしれません。

会計上の発生日は、請求日と同じとは限りません。

freeeのヘルプでも、請求日と取引の発生日は必ずしも同じではなく、取引の発生日は売上の計上日となる日付として確認する必要があると説明されています。

freeeヘルプ:請求書の発行と未決済取引の登録

kintoneでは、日付を次のように分けて持ちます。

フィールド 使い道
受注日 受注件数、受注スピードを見る
売上計上日 月別売上、部門別売上、予実に使う
請求予定日 請求漏れを防ぐ
請求日 請求済み状態を確認する
入金期日 未入金、滞留を確認する
入金日 入金済み、遅延を確認する
会計連携日時 会計ソフトへ反映済みか確認する

日付だけでなく、金額も分けます。

金額 意味
案件見込み金額 受注前の予測値
受注金額 契約や注文で確定した金額
売上計上額 管理上の売上実績
請求額 請求書に載せる金額
入金額 実際に入金された金額
未入金額 請求額と入金額の差分
粗利額 売上から原価を引いた管理指標

この分け方にすると、営業、経理、経営が同じ画面を見ても、数字の意味を誤解しにくくなります。

案件・受注・売上実績を分ける

売上管理は、案件管理から始まることが多いです。

ただし、案件をそのまま売上実績にしてはいけません。

案件は見込みです。

売上実績は、受注後に計上してよいと判断された数字です。

アプリ 1レコードの単位 主な項目
案件アプリ 1商談、1提案 顧客、担当、確度、見込み金額、受注予定月
受注アプリ 1契約、1注文 契約日、開始日、請求条件、契約金額
売上実績アプリ 1計上単位 売上計上日、金額、部門、商品、原価、粗利
請求予定アプリ 1請求単位 請求先、請求日、締め、請求額、請求書番号

案件アプリには、次の項目を持たせます。

フィールド 設計意図
顧客 ルックアップ、関連レコード 顧客マスタとつなぐ
案件名 文字列 商談を識別する
担当者 ユーザー選択 営業責任を明確にする
フェーズ ドロップダウン、ステータス 提案、見積、契約調整など
受注確度 数値、選択肢 見込み集計に使う
見込み金額 数値 受注前の予測値
受注予定月 日付、年月 売上予測の軸にする
次回アクション 文字列、関連タスク 放置を防ぐ

受注アプリには、次の項目を持たせます。

フィールド 設計意図
関連案件 関連レコード どの案件から受注したか
契約日・受注日 日付 受注タイミングを記録する
契約開始日 日付 売上計上や提供開始の基準にする
契約金額 数値 受注金額を持つ
請求条件 ドロップダウン、文字列 月末締め、前払い、分割など
請求先 ルックアップ 顧客と請求先が違う場合に対応する
受注確認状態 ステータス 営業確認、経理確認、登録済みを分ける

売上実績アプリには、次の項目を持たせます。

フィールド 設計意図
売上計上日 日付 月別売上の基準にする
顧客 ルックアップ 顧客別集計に使う
関連受注 関連レコード どの受注から発生したか
商品・サービス ルックアップ 商品別、サービス別に見る
売上区分 ドロップダウン 初期費用、月額、スポット、保守など
売上金額 数値 実績集計に使う
原価・外注費 数値 粗利を見る場合に使う
部門・担当 選択肢、ユーザー選択 部門別、担当別に見る
請求状態 ドロップダウン 未請求、請求予定、請求済み
会計連携状態 ドロップダウン 未連携、連携済み、エラー

案件から受注、受注から売上実績へ進む流れを作ると、数字の意味が分かれます。

見込みは営業管理。

受注は契約・注文管理。

売上実績は管理会計・経営判断。

請求と入金は経理・会計。

この分け方をしておくと、会議で「今月の売上」と言ったときに、何の数字を指しているか説明できます。

商品マスタと売上区分

売上管理で地味に重要なのが、商品マスタです。

商品名やサービス名を自由入力にすると、集計が崩れます。

「初期構築」「初期費用」「導入費」「セットアップ費」が別々の売上として集計されるようになります。

商品・サービスマスタには、次の項目を持たせます。

フィールド 設計意図
商品コード 文字列 会計ソフトや請求書との対応に使う
商品名 文字列 表示名を統一する
売上区分 ドロップダウン スポット、月額、保守、外注込みなど
標準単価 数値 見積や売上登録の参考にする
原価区分 ドロップダウン 粗利管理に使う
会計品目 文字列、ルックアップ freee等の品目と対応させる
有効/無効 ステータス 古い商品を選ばせない

売上区分は、細かくしすぎない方がよいです。

最初は次の程度で十分です。

売上区分 使い道
初期費用 導入、設計、初期構築など
スポット 単発開発、追加作業、調査など
月額 保守、運用、ライセンス、月次支援など
成果報酬 成果条件がある売上
立替・実費 売上と分けて扱うべき費用

商品マスタを整えると、売上管理は経営判断に使いやすくなります。

どの商品が伸びているか。

月額売上とスポット売上の比率はどうか。

粗利が低い商品はどれか。

会計ソフトへ渡す品目と合っているか。

ここまで見られるようになります。

請求・入金・会計ソフトとの境界

売上管理で一番危ないのは、kintoneと会計ソフトの二重管理です。

kintoneにも請求状態がある。

freeeにも請求書と未決済取引がある。

銀行明細の入金消込もある。

この状態で、どちらが正しいのか決まっていないと、数字がずれます。

基本方針は、次のように分けます。

領域 kintone freee・会計ソフト
請求前確認 請求対象、金額、請求先、条件を確認 必要に応じて参照
請求書発行 原則、正式発行はしない 請求書番号、送付、控えを管理
売掛金 状態を参照・可視化 正式な売掛金管理
入金 入金予定、未入金アラート 銀行明細、消込、入金管理
仕訳 原則持たない 正式な会計処理
経営ダッシュボード 営業・管理用に集約 会計レポートと照合

kintoneから会計ソフトへ連携する場合は、連携ログを残します。

連携ログで残すもの 理由
連携対象 売上実績、請求予定、顧客、商品など
実行日時 いつ出力・送信したか
実行者 誰が実行したか
連携先ID 会計ソフト側の取引ID、請求書IDなど
結果 成功、失敗、一部失敗を分ける
エラー内容 修正対象を特定する
再実行履歴 二重登録と漏れを防ぐ

会計ソフトからkintoneへ状態を戻す場合も同じです。

請求済み、入金済み、未入金、消込済み、エラー。

これらの状態をkintoneに戻せば、営業や管理者がkintone上で確認できます。

ただし、正式な請求・入金・仕訳は会計ソフト側で確認します。

kintoneは売上管理の「見える化」と「確認フロー」に向きます。請求書、売掛、入金消込、仕訳の正本は、原則として会計ソフト側に残します。

グラフ・定期レポート・ダッシュボード

売上管理では、グラフは重要です。

ただし、グラフは最後に作るものです。

先にデータの意味を分けないと、きれいなグラフほど危険です。

kintoneのグラフ機能では、アプリに登録されたデータを集計し、グラフや表として表示できます。

kintoneヘルプ:グラフと集計

また、定期レポートでは一定間隔で集計結果を記録できます。

kintoneヘルプ:定期レポートとは

売上管理で作るべきグラフは、次のように分けます。

グラフ 使うデータ 見ること
月別売上実績 売上実績 売上計上ベースの推移
担当別売上 売上実績、案件見込み 担当ごとの実績と見込み
商品別売上 売上実績、商品マスタ どの商品・サービスが伸びているか
部門別売上 売上実績 部門ごとの貢献
未請求一覧 請求予定、売上実績 請求漏れを防ぐ
未入金一覧 会計ソフトから戻した状態 入金遅延を確認する
予実差分 目標、売上実績、見込み 目標に対する不足を把握する

経営会議用のダッシュボードでは、すべてのグラフを並べない方がよいです。

見るべき数字を絞ります。

指標 見る理由
今月売上実績 現時点の着地を把握する
今月見込み 受注前後の不足を把握する
目標達成率 予算に対する進捗を見る
未請求金額 請求漏れを防ぐ
未入金金額 回収リスクを見る
粗利率 売上の質を見る
重点案件 未達を埋める候補を見る

ダッシュボードで重要なのは、数字を見た後の行動です。

未達なら、どの案件を追うのか。

未請求なら、誰が請求前確認をするのか。

未入金なら、営業が確認するのか、経理が確認するのか。

グラフは、次のアクションにつながる粒度で作ります。

予実管理とのつなぎ方

売上管理は、予実管理とつなげて初めて経営判断に使いやすくなります。

ただし、予実管理を作る前に、目標の単位を決めます。

目標の単位 向いているケース
月別目標 小規模チーム、全社売上を見る
担当別目標 営業担当ごとの進捗を見る
部門別目標 事業部、店舗、部署ごとに見る
商品別目標 商材別の伸びを見たい
顧客別目標 既存顧客の深耕を見たい

目標アプリには、次の項目を持たせます。

フィールド 設計意図
対象月 日付、年月 月次で比較する
対象単位 ドロップダウン 全社、部門、担当、商品など
担当者・部門 ユーザー選択、組織選択 集計軸にする
目標売上 数値 達成率の分母にする
目標粗利 数値 売上の質を見る
コメント テキスト 目標の前提を残す

予実で比較する数字は、最低でも3つに分けます。

数字 意味
目標 事前に決めた予算・目標
実績 売上計上済みの数字
見込み 未確定だが着地に影響する案件

目標と実績だけを見ると、手遅れになりやすいです。

見込みを入れることで、今月の不足を早めに把握できます。

ただし、見込みは確度を持たせます。

確度 集計への使い方
受注可能性が高く、着地見込みに入れる
追い込み対象として別枠で見る
パイプラインとして見るが、着地には入れすぎない

予実管理では、数字の厳密さと行動の速さのバランスが必要です。

会計上の確定値は会計ソフト側で確認する。

kintoneでは、経営・営業が動くための管理指標を作る。

この分担が現実的です。

権限設計:売上情報は見せる範囲を分ける

売上情報は、全員に見せればよいものではありません。

担当別売上、粗利、原価、未入金、請求状況は、閲覧範囲を分ける必要があります。

役割 見える範囲 操作できること
営業担当 自分の案件、見込み、担当売上 案件更新、請求前確認
営業責任者 チーム全体の見込み、売上、未達 予実確認、重点案件の指示
経理担当 請求予定、請求済み、入金状態 会計連携、入金確認、差戻し
経営者 全社売上、粗利、予実、未入金 判断、優先順位決定
システム管理者 設定、連携ログ アプリ設定、連携設定

特に注意すべきなのは、粗利と原価です。

売上金額は見せてもよいが、原価や粗利は限定したい場合があります。

その場合、フィールド単位のアクセス権や、別アプリ化を検討します。

kintoneでは、アプリ、レコード、フィールドの単位でアクセス権を設定できます。

kintoneヘルプ:アクセス権の設定

権限設計では、一覧やグラフも確認します。

レコード本体を見せていなくても、グラフで集計値が見える場合があります。

売上、粗利、未入金、担当別成績は、どの役割に見せるかを決めてからダッシュボード化します。

一覧と通知は「例外」を中心に作る

売上管理で日々見るべきなのは、全売上一覧ではありません。

確認が必要な売上です。

一覧 対象
今月売上実績 売上計上日が今月の売上
今月見込み 受注予定月が今月で未受注の案件
請求前確認待ち 売上実績はあるが請求確認が未完了
未請求 請求予定日を過ぎても未請求
未入金 入金期日を過ぎても未入金
会計連携エラー freee等への登録に失敗したもの
予実未達 目標に対して不足している担当・部門
粗利低下 粗利率が一定以下の案件・商品

通知も、例外に絞ります。

通知タイミング 宛先 内容
受注登録時 経理、営業責任者 請求条件の確認依頼
請求予定日前 営業、経理 請求前確認の期限
請求予定日超過 経理、責任者 未請求アラート
入金期日超過 経理、営業担当 未入金確認
会計連携失敗 システム管理者、経理 エラー修正依頼
月次会議前 経営者、責任者 予実差分と重点案件

通知文面は、次の行動が分かるようにします。

「売上が更新されました」では弱いです。

「A社の6月請求前確認が未完了です」「5月計上分の会計連携に3件失敗しています」「今月目標まであと120万円です」のように、行動に直結させます。

よくある失敗パターン

kintone売上管理でよくある失敗は、数字をまとめすぎることです。

失敗 起きること 対策
売上という項目を1つだけ作る 見込み、実績、請求、入金が混ざる 数字の意味ごとに項目を分ける
売上月だけで集計する 計上日、請求日、入金日の違いが見えない 日付を分ける
顧客名・商品名を自由入力にする 集計軸がぶれる 顧客マスタ、商品マスタを使う
案件金額をそのまま実績にする 未受注案件まで実績に入る 受注・計上の状態を分ける
kintoneで請求書まで正式管理しようとする 会計ソフトと二重管理になる 請求書・売掛・入金は会計側を正本にする
グラフから作る きれいだが数字の意味が曖昧になる データモデルから作る
権限を後回しにする 粗利や未入金が見えすぎる 役割別に閲覧範囲を決める
連携ログを残さない 会計連携の失敗や二重登録に気づけない 成功・失敗・再実行を記録する

特に避けたいのは、「Excelの売上表をそのままkintone化する」ことです。

Excelの列を移せば、入力画面はすぐできます。

しかし、案件、請求、入金、会計、予実の責任範囲は整理されません。

売上表の再現ではなく、売上に関わる業務の流れを設計します。

1週間で始めるならこの順番

最初から会計連携まで作り込む必要はありません。

ただし、会計ソフトとの境界だけは先に決めます。

日程 やること 成果物
1日目 売上に関係する数字を洗い出す 見込み、受注、計上、請求、入金の定義
2日目 正本の置き場所を決める kintoneで持つ範囲、会計ソフトで持つ範囲
3日目 案件・受注・売上実績のアプリを設計する レコード単位、フィールド、状態
4日目 顧客・商品マスタを整理する 顧客コード、商品コード、売上区分
5日目 請求前確認と会計連携ログを設計する 未請求、未入金、連携エラー一覧
6日目 目標・予算アプリを作る 月別、担当別、部門別の目標
7日目 ダッシュボードと通知を作る 予実、未請求、未入金、重点案件

最初の検証では、過去1か月分の実データに近いサンプルを使います。

案件、受注、売上計上、請求、入金、目標を入れてみます。

そこで、営業が見たい数字、経理が見たい数字、経営が見たい数字が分かれるか確認します。

実装前チェックリスト

kintone売上管理を実装する前に、次の項目を確認します。

  • 見込み、受注、売上計上、請求、入金の定義が分かれている
  • 売上計上日、請求日、入金日を別フィールドで持つ
  • 案件金額と売上実績を混ぜない
  • 顧客マスタ、商品・サービスマスタを使う
  • 受注から売上実績、請求予定へ進む流れがある
  • 請求書、売掛金、入金消込、仕訳の正本を会計ソフトに置く方針がある
  • freee等へ連携する場合、連携ログを残す
  • 会計ソフト側の請求済み、入金済み、エラー状態を戻す設計がある
  • 目標・予算の単位が決まっている
  • 予実で見る数字が、目標、実績、見込みに分かれている
  • 未請求、未入金、会計連携エラーの一覧がある
  • 粗利、原価、未入金の閲覧権限が決まっている
  • グラフやダッシュボードを作る前に、データの意味を確認している
  • 経営会議で見た数字から、次のアクションへ戻れる

このチェックリストで詰まるところが、実装前に決めるべき論点です。

特に、売上計上日と請求日の違い、会計ソフトとの正本分担は後回しにしない方がよいです。

数字が積み上がってから直すと、過去データの修正が重くなります。

まとめ

kintoneで売上管理を作ること自体は難しくありません。

顧客名、担当者、売上金額、売上月を入れて、グラフを作れば始められます。

しかし、実務で使える売上管理にするには、売上一覧だけでは足りません。

必要なのは、案件見込み、受注、売上計上、請求、入金、目標、予実、会計連携の境界を決めることです。

kintoneは、営業・管理側の見込み、受注後の確認、請求前チェック、予実ダッシュボードに向いています。

一方で、請求書、売掛金、入金消込、仕訳、税区分は、freeeなどの会計ソフトを正本にした方がよい領域です。

売上管理をkintoneで始めるなら、まず次の3つを決めてください。

  • 売上に関係する日付と金額を、どの意味で分けるか
  • kintoneと会計ソフトのどちらを正本にするか
  • 予実ダッシュボードを見た後、どの業務アクションへ戻すか

この3つが決まっていれば、kintone売上管理は経営判断に使える業務システムになります。

逆に、ここを曖昧にしたまま売上グラフだけ作ると、営業・経理・経営がそれぞれ違う「売上」を見て話すことになります。

売上管理は、数字を足す仕事ではありません。

案件、請求、入金、会計、予実をつなぎ、次に何を判断するかを明確にする業務です。

kintone業務アプリ設計支援

kintone売上管理を経営判断に使える形へ設計します

売上グラフを作るだけで終わらせず、案件、請求、入金、会計ソフト連携、予実ダッシュボードまで実務で回る構成に落とし込みます。

著者
守高 成悟
守高 成悟

代表取締役 CEO

千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。

運営会社
株式会社ビットライト
株式会社ビットライト

顧客が本当に必要だった価値を、実装する。

現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援しています。

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