Cloudflare研究所 > Cloudflare Workersの料金と無料枠|リクエスト・CPU・関連サービスを分けて試算
2026年10月22日
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Cloudflare WorkersのFree・Paidの料金、CPU時間と待機時間の違い、静的アセットとWorkers Cachingの課金を整理。月2,000万リクエストの試算例と、D1・R2・ログを含む予算の作り方を解説します。
Workersは月5ドルから使えると聞きました。会社のサイトも、それだけで運用できますか。
5ドルは有料プランの基本料金じゃ。実行した処理の量と、データや画像をどこに保存するかまで分けて見積もろう。
Cloudflare Workersの費用は、主に有料プランの基本料金、課金対象リクエスト数、CPU時間で決まります。 D1、R2、AIモデルなどを組み合わせる場合は、それぞれの利用料も確認します。「ページビュー数×単価」だけでは、実際の構成に合う見積もりになりません。
この記事は、小規模なWebサイトや業務APIを検討する開発者・担当者向けです。金額は2026年10月22日時点の公式料金を基にした米ドル表示で、契約固有の割引や税金は含めません。試算は架空の利用条件であり、当社サイトの実測値ではありません。
まず「静的ファイルの配信」「Workerの処理」「DB・画像・AIなどの利用」を分けると、見積もりの抜けを見つけやすくなります。
一般的なWorkers Standardの料金は次のとおりです。Enterpriseや旧契約は、契約条件も照合してください。公式:Workersの料金
| 項目 | Workers Free | Workers Paid・Standard |
|---|---|---|
| 基本料金 | 無料 | アカウント単位で月額5米ドルから |
| リクエスト | 1日10万件まで | 月1,000万件込み。超過100万件につき0.30米ドル |
| CPU時間 | 1回の呼び出しにつき10msまで | 月3,000万CPU-ms込み。超過100万CPU-msにつき0.02米ドル |
| 静的アセットの通常配信 | 無料・リクエスト数の上限なし | 無料・リクエスト数の上限なし |
Freeのリクエスト枠は日単位です。1か月の合計が少なくても、特定の日に集中すれば上限へ達します。Paidの月間枠へ単純に換算しないでください。Freeで上限を超えた場合も、自動的に従量課金へ移ると考えず、制限時の挙動を確認します。公式:Workersの制限
また、Webサイト向けのCloudflare Pro・Business契約とWorkers Paidは別の契約です。既存の請求にCloudflareという名前があっても、Workersの利用枠が増えているとは限りません。
CPU時間は、コードが計算などにCPUを使った時間です。外部APIの応答待ちを含む、利用者から見た全体の待ち時間とは異なります。
たとえば、外部APIを待つ処理と、大量のJSONを加工する処理では、同じ応答時間でもCPUの使い方が違います。見積もりには画面で測った秒数をそのまま入れず、WorkersのメトリクスにあるCPU時間を使います。公式:CPU時間の定義と制限
| 処理の例 | 見積もりで調べるもの |
|---|---|
| 問い合わせを受け付けて外部APIへ送る | 受付件数、検証処理のCPU、外部サービスの利用料 |
| 大きなJSONを集計する | 入力サイズごとのCPU、1回の実行上限 |
| 画像を配信する | 静的配信かR2か、画像変換の有無 |
| AIに文章を生成させる | WorkerのCPUと、モデルの入出力量を別々に確認 |
平均値だけで予算を組む場合も、大きなデータや失敗後の再試行で負荷が増えるケースを一つ用意します。月間の費用と、1回の処理が上限内で終わるかは別の確認事項です。
次の条件を仮定します。
| 項目 | 計算 | 月額 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 5米ドル | 5.00米ドル |
| リクエスト超過 | (2,000万−1,000万)÷100万×0.30 | 3.00米ドル |
| CPU使用量 | 2,000万件×5ms=1億CPU-ms | — |
| CPU超過 | (1億−3,000万)÷100万×0.02 | 1.40米ドル |
| 合計 | 5.00+3.00+1.40 | 9.40米ドル |
この計算の目的は、安さを保証することではなく、どの入力が変わると費用が増えるかを見えるようにすることです。APIの呼び出しを1画面あたり1回から5回へ増やせば、ページビュー数が同じでも処理件数は変わります。ほかのアプリと同じアカウントを使う場合は、利用枠をアプリごとに重複して差し引かないようにします。
Workers Static Assetsから通常配信するHTML・CSS・画像などは、無料の静的アセット配信として扱われます。一方、認証などのためにWorkerを先に実行する構成では、Workerの呼び出しを見積もる必要があります。公式:Static Assets
さらに、Workers Cachingを有効にした場合は、キャッシュから返るリクエストも課金対象になる条件があります。 キャッシュヒット時にCPUを実行しなくても、リクエスト料金までゼロになるとは限りません。公式:Workers Caching、料金表のキャッシュに関する注記
同じ「キャッシュ」という言葉でも、使う機能と経路が違います。構成図に「Static Assetsへ直接」「Workerで認証」「Workerのキャッシュ」と経路を書き、どこを通るか確認してから件数を置きます。配信方式の選定はWorkersとPagesの違いも参考になります。
Workerが月5ドルの範囲に収まっても、システム全体が同額とは限りません。少なくとも次の費用表を用意します。
| 費用の区分 | 記録する量 | 確認先 |
|---|---|---|
| データベース | 読み書きする行数、保存量 | D1の料金 |
| ファイル保存 | GB-month、書き込み・読み取り回数 | R2の料金と試算 |
| AI | モデル、入出力量、検索・取り込み量 | 利用するAIサービスの料金表 |
| ログ | イベント件数、保存期間、外部転送 | WorkersのObservability |
| 運用 | 更新、調査、問い合わせ対応の時間 | 社内の担当・委託条件 |
ログの料金や保持条件も更新されます。現在のWorkers料金表には、2026年12月1日からWorkers Logsの料金体系が変わる旨の案内があるため、長期の予算は導入時点でも再確認してください。
運用を始める前に、通常月・アクセスが増える月・異常時の三つを見積もります。通常月だけを見ていると、キャンペーンや再試行の増加を異常と区別できません。
CPU上限は1回の処理を制限する設定です。月間請求を指定金額で必ず停止する設定とは異なります。 また、上限を小さくしすぎれば正規の処理も失敗します。設定後は、重い入力を含めて業務が完了するか確認します。
構成と利用量によります。静的配信中心か、API・SSR・DB処理を含むかで確認する枠が違います。アクセスの集中、1回のCPU、保守体制まで含めて判断してください。
通常のWorkers Paidはアカウント単位の基本料金です。ただし利用量は集計されます。個々のWorkerに無料枠が別々に付く前提で見積もらないでください。
応答待ちとCPU実行は別です。外部APIの遅延とコードの計算量を分けて調べます。Durable Objectsなど、異なる課金方式のサービスを組み合わせた場合は、その料金も別途確認します。
公式情報の確認日:2026年10月22日。料金は契約・利用条件により変わるため、申込時の公式表示を確認してください。
千葉県出身。10歳の頃からプログラミングを始め、ゲーム、Webサイト、ロボット、スマホアプリなどを制作。大阪大学基礎工学部情報科学科で情報工学と統計学を学び、大学時代はAIを研究。大学在学中にWeb広告代理店でのインターンや人材系Webサービスの立ち上げを経験し、卒業後はフリーランスエンジニアとしてGISシステム、データ基盤構築、Webシステムの開発に従事。10年以上のWebアプリ開発・データ分析経験を基に、2023年9月に株式会社ビットライトを設立し、現場業務の仕組み化からデータ基盤構築、データ活用支援までを一気通貫で支援。