※この記事は掲載レイアウト確認のためのテストコンテンツです。
災害時の被害状況やインフラ点検の記録など、現場で得られる情報は位置情報とセットで扱うことで価値が大きく高まります。本記事では、QGISとPostGISを組み合わせたフィールド調査データ基盤の構築方法を紹介します。
ワークフローの全体像
- 現地調査アプリでデータ収集 — KoboToolboxやFulcrumなどのモバイルアプリを使い、調査地点の座標と属性情報を登録します。
- PostGISに自動連携 — WebhookやETLツール(FME、Airbyte)を介して、取得したCSV/GeoJSONをPostGISへ取り込みます。
- QGISで検証・可視化 — PostGISのテーブルをレイヤーとして読み込み、スタイル設定やラベル表示で現場にフィードバックします。
PostGISへの取り込みスクリプト
以下はGeoJSONを定期的に取り込むシェルスクリプトの例です。
#!/bin/bash
set -euo pipefail
API_ENDPOINT="https://example.com/field-app/export.geojson"
DATA_DIR="/tmp/field-sync"
mkdir -p "$DATA_DIR"
curl -sS "$API_ENDPOINT" -o "$DATA_DIR/latest.geojson"
ogr2ogr \
-f "PostgreSQL" \
PG:"host=localhost dbname=gis_data user=gis password=secret" \
"$DATA_DIR/latest.geojson" \
-nln survey_observations \
-append -overwrite
echo "$(date "+%F %T") GeoJSON import completed"
ogr2ogr
はGDALに含まれるツールで、形式の差異を意識せずにPostGISへロードできるのが利点です。-append
と -overwrite
の組み合わせでスキーマを毎回再作成しつつ既存データを置き換えています。
QGISでのスタイル設定ポイント
- カテゴリ分類: 属性に応じて異なるシンボルを設定し、優先度の高い点検箇所を強調する。
- 表現のルール化: 「被害レベル >= 3」のような条件をルールとして設定すると、重要箇所だけを地図上で浮かび上がらせられます。
- ラベルとポップアップ: 現場写真や担当者コメントをポップアップに組み込み、Webマップへ出力する際にも活用できます。
現地で作成されたデータが迅速に共有されれば、意思決定のスピードが向上します。QGISとPostGISはオープンソースのためライセンスコストを抑えつつ、柔軟な拡張が可能です。まずは小規模な調査案件から導入し、段階的に自動化範囲を広げてみてください。